「祇園ない藤さん」でみつけた草履です。今年のゑびすさんの帰りに。
年甲斐もなくブリブリかも、と悩みつつ、しかし、春を待ちわびる心にはピッタリで、最近、よく履いています。ぽっこりのような形が可愛いでしょ。横から見て、梅色とも桜色とも。
母と祖母の形見を生かそうと和服の着こなしに挑戦してきた私ですが、草履は家にあった「ぜん屋」の鼻緒を替えるだけで、あとは三越のワゴンセールで済ませてきました。自称「西麻布のイメルダ」が草履に興味を持ったら最後、どんだけ散財するか怖かったからです。
スタジオの仕事が多かった時代には、泥なしのパンプスをキープする必要があり、パリ、NY、香港、東京でシャルル・ジョルダン製を買い漁っていました。90年代まではジョルダンがダントツ、華奢でスタイリッシュだったのです。
年の路上転倒以来、和洋とも履物を見直しています。ない藤さんのお草履は、歩きやすい上、デザインが面白い。上から見ると四角くて、横から見ると、ぽっこりみたい。そう、実は横からの景色も大切なのだと、教えてもらった一足です。
2017年3月 祇園ない藤の、春を呼ぶ草履
2017.03.12