吉田鶴栖居月釜へ。テーマは観月。
観月がテーマのときは、この着物。単衣のお召。母の形見です。母を送ったのが39歳。こんな地味な着物いつ着るんだろう、と思っていたら、満月が映っているかのような文様なので、観月にからんだお席で重宝します。帯は、私が20代のころ締めていたもの。
この後、伊藤久重さんの個展へ再び。
「きものを着たい」と思った時が適齢期。形見が舞い込んだ時、海外暮らしを終えた時、日本人の心を確かめたくなった時――。ワシントンDCでの中年留学を機に始めて18年。祖母・母・娘と三代続く着道楽の血が騒ぎ、粋に着こなしたいと奮闘中。失敗例も含め、適齢期を迎えた方々のヒントになれば幸いです。
京都での10年を歳時記にまとめた『『京都で、きもの修行:55歳から女ひとり住んでみて』が世界文化社より出版。日々の着こなしの写真は、インスタグラムに掲載。
吉田鶴栖居月釜へ。テーマは観月。
観月がテーマのときは、この着物。単衣のお召。母の形見です。母を送ったのが39歳。こんな地味な着物いつ着るんだろう、と思っていたら、満月が映っているかのような文様なので、観月にからんだお席で重宝します。帯は、私が20代のころ締めていたもの。
この後、伊藤久重さんの個展へ再び。
「有職御人形司十二世 伊東久重の世界」に伺いました。会場は高島屋京都店7階グランドホール、また、6階美術画廊でも。
鳥肌が立ちますよ! 何があってもご覧になるべき、ぜひ足を運んでください。期待をはるかに上回る数の伊藤家の作品が集結しているのです。個人、企業、社寺、美術館、皇室からも――。
伊東家の守り神「草刈童子」にも圧倒されますが、長刀鉾の天王人形(和泉小次郎親衡像)にいたっては、現在の巡行の際、(長刀のすぐ下に付けられていて)遠くに拝める12世作だけでなく、初代作も並んでいて、びっくり。壬生狂言の大念仏面(170年前、6世作)まで展示されているではありませんか! ガラス越しとはいえ、心臓がドキドキバクバクしてしまいます。