カテゴリー: 秋尾沙戸子のきもの適齢期
「きものを着たい」と思った時が適齢期。形見が舞い込んだ時、海外暮らしを終えた時、日本人の心を確かめたくなった時――。ワシントンDCでの中年留学を機に始めて18年。祖母・母・娘と三代続く着道楽の血が騒ぎ、粋に着こなしたいと奮闘中。失敗例も含め、適齢期を迎えた方々のヒントになれば幸いです。
京都での10年を歳時記にまとめた『『京都で、きもの修行:55歳から女ひとり住んでみて』が世界文化社より出版。日々の着こなしの写真は、インスタグラムに掲載。
2018年3月 六角堂の御幸桜
2018年3月 席披きの茶事
2018年3月 祇園白川へ 枝垂桜文の着物で
2018年3月 びわ湖疏水船に試乗して
滋賀県三井寺駅で集合して、水路で京都の蹴上へ。明治維新150年の今年、びわ湖疏水船が29日から運航されます。幸運にも、一足先に載せて頂きました。桜、桜、桜、・・・いまにも咲きそうな蕾を観ながら、岸辺が桜色だったらなあと残念がいっぱいの私。せめて私が帯を桜色にしてきて、つもり、つもり、つもり。文様で季節先取りは、こういうのを言うのでしょうね。
乗船は約1時間。琵琶湖と疏水の水位を調える大津閘門から、旧御所水道ポンプ室前まで走ります。とても慣れているガイドさんの説明を聞きながら、疎水の歴史がよくわかるので、ぜひぜひのトライしてみてくださいね。
追伸:茶友が30日に乗船しました。桜は未だだろうと覚悟の切符購入にもかかわらず、な、なんと、まさかまさかの七分咲きで、と喜んでいました。早咲きの桜に笑った人、泣いた人いろいろの今年です。
2018年3月 清凉寺にて
2018年3月 弘道館へ水仙の帯で
2018年3月 千總の枝垂れ桜文で、名勝、津田楼、鍵善へ
またまた名勝へ。中の一部だけの写真撮影はいいけれど、webでのアップは禁じられ、しかも、訪れた先の名称も内緒にせよとのこと。門の前の写真は許されるということで、左の写真なり。どことはわからぬように、ぼかしたり、切り取ったり、大変です。
某カルチャーセンターの講座枠で入れた名勝。値段の高さに、どう思う?と問い合わせてきたOさんと申し込みました。ならば、祇園の津田楼にご案内したいとランチに誘っていただき、その足で鍵善へ。いつもならくずきりを頼むところだけど、肌寒かったのでお抹茶に。雨に打たれて鮮やかな苔とのシンクロにご注目あれ。
着物は千總さんの枝垂れ桜。初お目見え。小雨が降っているので相当に迷ったのですが、一般には入れない名勝ゆえ、写真を撮るなら、こちらと張り切った次第。将来、一般公開されるようになれば、紅梅と庭を背景にした写真をアップできるかも。
帯は、借景のお庭を意識したもの。山々が浮き出るの、ご覧いただけるでしょうか。昨秋のフォーラム「古都の借景」司会の折、これを結ぶことを考えたのですが、客席から見たら、単なる白にしか見えないので止めました。帯揚げと帯締めは、濃いめの桜色で。
2018年3月 八重の紅梅
2018年3月 京あそび 杉本家にひなを遊ぶ
ひいなの帯に換えて、杉本家へ。この季節、おひなさまを一般公開しているのですが、11日と12日、DNP(大日本印刷)とLEAFパブリケーションズによる「京あそび」の「杉本家にひなを遊ぶ」が開かれ、杉本歌子さんの解説と亀屋さんの和菓子「ひちきり」の実演を鑑賞しました。写真は、この日玄関に飾られたDNPさん作成の洛中洛外図屏風です。
守るものがあるのは羨ましいと常々感じている私。杉本家には何度かお邪魔しているのですが、今回は歌子さんの京ことばが心地よくて、ますますその思いを強くした次第。
私が企画設営委員を務める「明日の京都 文化遺産プラットフォーム」の協力で撮影されたブルーレイ映像「未来への歩み 京商家杉本家の慣らいと暮らし」。4k技術のおかげもあり、とても素晴らしいので、ぜひご購入くださいませね。