後祭の鉾建ては順次進んでいるのですが、曳き初めの朝は、特に騒がしくなります。懸装品をつけ、車輪をつけて動くようにせねばなりません。そんな山鉾巡りの朝の風景です。
カテゴリー: 秋尾沙戸子のきもの適齢期
「きものを着たい」と思った時が適齢期。形見が舞い込んだ時、海外暮らしを終えた時、日本人の心を確かめたくなった時――。ワシントンDCでの中年留学を機に始めて18年。祖母・母・娘と三代続く着道楽の血が騒ぎ、粋に着こなしたいと奮闘中。失敗例も含め、適齢期を迎えた方々のヒントになれば幸いです。
京都での10年を歳時記にまとめた『『京都で、きもの修行:55歳から女ひとり住んでみて』が世界文化社より出版。日々の着こなしの写真は、インスタグラムに掲載。
2017年7月 宵山の帯
駒形提灯の帯、ようやくみつけました。
宵山に建てられた鉾の駒形提灯と一緒にカメラに収めたい。でも、難しいことが2つ。提灯が明るいので、帯が暗くなる。洋服の人が写り込む。ポロシャツに短パンだったりするから、興ざめなのです。
だから、駒形提灯周辺に浴衣の人をみかけたときが狙い目。そこへ寄っていくのです。
帯をよーく見てみてくださいね。小さく粽が描かれています。
2017年7月 宵山のお茶会@一力
宵山に開かれる一力さんでのお茶会。昨年はご縁がなかったのですが、今年は茶友のお招きを受け、十名ほど一緒に出かけました。
表千家主催のお席では、舞妓さんがお運びさんを担います。一力さんに女性が足を踏み入れることは滅多にない上、ほんものの舞妓さんに会えるので、人気なのです。
私たちは最後から2席目。帰ろうとしたら土砂降りになり、ようやく上がって帰るところにて、玄関で撮影しました(右上)。
この日の装い。帯は先日の志野流のお席と同じ、源氏香。一力さんを訪れる前に、室町の誉田屋さんにお邪魔しておりました。
着物は、絽なのですが、文様は牡丹なんです。夏なのに牡丹でいいかどうか悩みつつ、ま、吉祥文は季節を選ばないということであり、絽なのだから、7月に纏ってもいいということでしょうか。
2017年7月 黄緑の芭蕉の葉文で
紫織庵へ。私の浴衣のほとんどは、ここで購入。襦袢が陳列されている部屋で、着付けの先生が、帯結びを直してくれています。
2017年7月 北斗七星の帯@上賀茂神社
祇園祭の最中、陰陽道のまつわる講演を聴くために北斗七星の帯を締め、その前に上賀茂神社に参拝しました。
2017年7月 大丸京都店にも祇園祭の鉾がいっぱい
祇園祭は7月1日から1カ月、毎日神事行事があります。長刀鉾町にある大丸京都店も、祇園祭一色に。
1階には、ミニチュアや小皿など山鉾が描かれたグッズが並び、大丸のコレクションとして、鉾が三基、並び、浴衣売り場にも、二基、飾られていました。
浴衣は芭蕉の葉文。鉾の前でよく映えます。
2017年7月 粽の準備
今年も、ある鉾町で、粽の袋詰めをお手伝いしました。
農家の方々の苦心の作なれど、万が一不良品があれば、やり直し。
きれいに整えるだけでなく、蘇民将来之子孫也の「蘇」が隠れていないかどうかも、しっかりチェック。これは私のこだわりです
2017年7月 源氏香の帯
志野流蜂谷家の先祖代々の墓所を新しくされた記念の場にお招きいただきました。若宗匠とは、俳句を通してのご縁。生まれて初めて「蘭奢待」を聞かせていただき、感謝感激。正倉院展まで観に行った蘭奢待。ガラスの中に入っているから、わからないわけです。でも、聞香の機会を頂けた幸運に、酔いしれたひとときでした。
帯は誉田屋製「源氏香」文。お弟子さんが大勢いる中、この帯でいいかどうか迷ったのですが、一加さん春のセールで手に入れ、この夏デビューならこのタイミングでしょ、と締めていきました。着物は『ワシントンハイツ』の受賞祝宴の折にまとったのと同じ。白と銀で棕櫚の葉陰と赤とんぼを織り込んだ変わり絽。
お茶席では、少し後にいらした狂言師の野村万蔵さんとご一緒しました。母上直々のお薄を頂戴し、久しぶりに御家元にもご挨拶ができて、ほんとうに充実した一日と思っていたら、その直後に土砂ぶりにあい、閉口しました。
2017年6月 祇園祭、いよいよ始まります
祇園祭は7月1日から31日までの1カ月。前日に長刀鉾会所にご挨拶に伺い、スサノオノミコトにお詣りさせて頂きました。
先取りで織られたであろう、長刀鉾の綴れの帯を締めています。明日からは夏帯ですから、これを締められるのは、今日が最終日になります。