9月の茶狂会は、中秋の名月。観月茶会となりました。京都市内は日中最高気温が27度でも、亀岡は24度。夕方からのお席でもあり、さすがに薄物は避け、単衣のお召しを纏っています。織でもお召しはお茶席で許されるのです。夜空に満月、水面の満月、窓に映る満月、盃にゆれる満月・・・。帯は私が20代のころから締めていた綴れ。母の娘時代のものかもしれません。
実はこのお召しを袷に仕立てかえるつもりでした。雪のイメージで使えるか、と。しかし、単衣のまま観月に着るにも一案ですね。今年は9月27日、でも昨年は9月8日と早かったので、秋草文の絽を着ています。ただ、一尺五寸の袖は縮めたほうがよさそうです。
食事は松茸と亀岡地鶏のすき焼き。まずは地鶏の大半を塩コショウで焼いて楽しみ、その後にレバーと松茸、たまねぎ、ねぎを加えて食します。その後は松茸以外のきのこや豆腐などを加えて。
松茸を裂く作業を手伝って、その香りを堪能。こんなにたくさん一度に目の当たりにすることも裂くことも縁のない私。貴重な経験ありがとうございました。
カテゴリー: 秋尾沙戸子のきもの適齢期
「きものを着たい」と思った時が適齢期。形見が舞い込んだ時、海外暮らしを終えた時、日本人の心を確かめたくなった時――。ワシントンDCでの中年留学を機に始めて18年。祖母・母・娘と三代続く着道楽の血が騒ぎ、粋に着こなしたいと奮闘中。失敗例も含め、適齢期を迎えた方々のヒントになれば幸いです。
京都での10年を歳時記にまとめた『『京都で、きもの修行:55歳から女ひとり住んでみて』が世界文化社より出版。日々の着こなしの写真は、インスタグラムに掲載。
2015.09.28
2015年9月 萩桔梗文に蝶を宿らせて
2015.09.20
2015年9月 白露までは薄物
2015.09.07
2015年9月 帯は腰痛の味方らしい
2015.09.07
審査初日。密室に皆で籠もり、腰掛けて番組を見続ける仕事。椎間板ヘルニアと診断された私は、和服で通しました。帯がコルセットの役割を果たすと医者に言われ、ぐるりと一周の帯板をしているんです。病院で採寸までして注文したコルセットが間に合わず・・・。
二十四節気の白露までは、堂々と薄物で通します。和服の衣替えの法則って、明治の軍隊に準じたものなんですよ。変でしょ。軍事大国まっしぐらの機運に、女性の和装が合わせる必要なし、というのが私の考えです。
ただし、夜は寒々しいので、帯は透け感のないものを合わせます。この龍文は、ネットでみつけたんです。3万円で少しおつりがきました。東京の呉服屋さんには、良い買い物だったと褒められて、いい気になった私。刺繍がいいのでしょうね。地は絽のようで、とても目が詰まっているんです。お値段が可愛かったので、迷わず二部式に加工しました。帯芯がもこもこして、ぶ厚いのです。