早起きして墨をする。あるインタビューの後、お稽古に行くためだ。いつもは土曜だが、明日は「地方の時代」映像祭の表彰式で大阪に行かねばならない。よって、金曜日に変更してもらう。
おかげで、裏具の佐々木まなびさんに久しぶりに会うことができて、「いちえ」に寄って、語り合った。写真は突き出し。カウンターで大丈夫。24時までに入れば、25時まであけてくれるらしい。「おひとりさま」の旅人にもお勧め。
烏丸御池の東北。交差点から歩けます。5分くらいでしょうか。
上賀茂神社の「相嘗祭」に参列しました。直会で頂いた神酒がいつもと違うと思ったら、できたての新酒。なるほど、白くにごっていたわけです。
その年の新穀と新酒を伊勢の天照大神に奉られるのが「神嘗祭」。天皇がとくに信仰された全国71座の神々に奉られる祭儀が「相嘗祭」。天皇ご自身が召し上がるのが「新嘗祭」。戦後、新嘗祭は「勤労感謝の日」と呼び名を変えられ、日本人のお米への感謝意識が消えていきました。が、天皇はいまでも、この新嘗祭が終わるまで新米を口にされないそうです。
この日は太陽の陽射しがまぶしくて、つい傘を持たずに出かけたところ、突然に冷たい雨が降り出し、着物と帯を守るのに苦労しました。京都ではこれを「北山時雨」と呼び、「こういう年には雪がよく降るんですよ」と禰宜のお一人がつぶやいておられました。たしかに、霙を思わせる雨でした。近くは晴れているのに。
葵文の染帯、この日がデビュー。というより、この日に間に合わせて京都で仕立ててもらいました。東京・青山の「くるり」さんでみつけたのですが、仕立てに時間がかかることがわかり、京都で無理をきいてもらったわけです。上賀茂神社の神紋は、陰陽の意味を持つ二葉葵。黒と茶の文様は数多あれど、こんな優しい色使いはめずらしく、葵祭にも締められそうです。なにせ葵祭では、着物も帯も葵文オンパレード。葵なしでは、少し恥ずかしいくらいです。
上賀茂神社の「相嘗祭」に参列しました。直会で頂いた神酒がいつもと違うと思ったら、できたての新酒。白くにごっていたゆえんです。
その年の新穀と新酒を伊勢の天照大神に奉られるのが「神嘗祭」。天皇がとくに信仰された全国71座の神々に奉られる祭儀が「相嘗祭」。天皇ご自身が召し上がるのが「新嘗祭」。戦後、新嘗祭は「勤労感謝の日」と呼び名を変えられ、日本人のお米への感謝意識が消えていきました。が、天皇はいまでも、この新嘗祭が終わるまで新米を口にされないそうです。
太陽の陽射しがまぶしくて、つい傘を持たずに出かけたら、突然に冷たい雨が降り出し、着物と帯(できたての葵文の染帯)を守るのに苦労しました。京都ではこれを「北山時雨」と呼び、「こういう年には雪がよく降るんですよ」と禰宜のお一人がつぶやいておられました。たしかに、霙を思わせる雨でした。すぐそこ晴れているのに。
夜は東京からの友人にお誘い頂き、彼の京友お勧めの祇園にあるワインバーへ。寒さのあまり、カシミヤの和コートを纏った私。冬はもうそこまで。京都での紅葉狩には、ダウンが必要かもしれません。
注)写真は雨があがって撮ったもの。あまりの眩しさに帯の柄がわからず、少し暗く調整したところ、顔が真っ黒になってしまいました。
奈良の正倉院展、最終日に駆け込みました。木々が美しく色づいているといいたいところ。でも、それはほんの一部で、真っ赤になるまで、あと2週間くらい必要ですね。京都駅から奈良までは近鉄で40分。何を迷うことがあろう。せっかくだから、行くでしょ。
毎年開かれている正倉院展。期間が2週間余なので、東京からだと、つい見逃しがち。でも、信長が執着した香木の蘭奢待(らんじゃたい)が公開されたときには、根性出して訪れています。
最終日だから混雑を覚悟したものの、16時前で全く並ばずに入場。拍子抜けです。平日なのと雨が幸いしたのでしょう。音声ガイドに倣い、じっくりと拝見できました。
正倉院文様の帯はいろいろあるのですが、格が高すぎて、美術館めぐりには不向き。なので紅葉を意識して赤の入った大島を着たのですが、展示されている平螺鈿背円鏡を見て、急に思い出したのです。螺鈿入の黒い帯を思っていたことを。お召しにその黒い帯を締めてくれば良かったなあ。かなり残念。
余談ですが、アルバムを整理していたら、幼いころ鹿に餌をやっている写真が何枚か出てきました。私の記憶が正しければ、奈良にドリームランドという遊園地があって、そこに何度か来ていたのです。名古屋から奈良も、近鉄を使うとアクセスしやすかったのでしょうか。
奈良の正倉院展、最終日に駆け込みました。木々が美しく色づいているといいたいところ。でも、それはほんの一部で、真っ赤になるまで、あと2週間くらい必要ですね。京都駅から奈良までは近鉄で40分。何を迷うことがあろう。せっかくだから、行くでしょ。
毎年開かれている正倉院展。期間が2週間余なので、東京からだと、つい見逃しがち。でも、信長が執着した香木の蘭奢待(らんじゃたい)が公開されたときには、根性出して訪れています。
最終日だから混雑を覚悟したものの、16時前で全く並ばずに入場。拍子抜けです。平日なのと雨が幸いしたのでしょう。音声ガイドに倣い、じっくりと拝見できました。
正倉院文様の帯はいろいろあるのですが、格が高すぎて、美術館めぐりには不向き。なので紅葉を意識して赤の入った大島を着たのですが、展示されている平螺鈿背円鏡を見て、急に思い出したのです。螺鈿入の黒い帯を思っていたことを。お召しにその黒い帯を締めてくれば良かったなあ。かなり残念。
余談ですが、アルバムを整理していたら、幼いころ鹿に餌をやっている写真が何枚か出てきました。私の記憶が正しければ、奈良にドリームランドという遊園地があって、そこに何度か来ていたのです。名古屋から奈良も、近鉄を使うとアクセスしやすかったのでしょうか。
11月、京都では火焚祭が行われます。五穀豊穣と無病息災を願う神事のひとつですが、一緒に湯立神楽が奉納される神社もあります。私が訪れたのは、京都御所の中にある白雲神社。「御所の弁天さん」と呼ばれています。
例祭の神事の後、護摩木を燃やして火焚祭が行われますが、参列者で大祓詞を唱和するのは新鮮な経験でした。大祓詞コピーが配られるのは、めずらしいように思いました。その後、神楽、湯立神事が始まります。神前に大きな釜をおいて湯をわかし、酒、米、塩を四方に振りまき、釜の中へ。そして笹を束ねたものを湯に浸し、周囲にふりかけます。その湯を浴びることで清められ、無病息災が保障された気持ちになります。あいにくの雨だったので熱いとは感じず、しかし、晴れていれば、お湯の熱さで効果覿面と感じるらしい。そして、この笹の葉を頂いて帰ると、効果が倍増すると信じられています。
直会は、「お火焚饅頭」(右が紅、左が白)。焼印は火炎宝珠だといいます。味は特別ではありません。11月にはどこの和菓子屋にもこのお饅頭が並びますが、焼印に季節感を感じるためには、一度はこの神事を体験されることをお勧めします。