2013年5月 葵文の紗袷@葵祭

DSCN0339牛車
葵祭初体験。朝、御所を出たご一行は、下鴨神社、上賀茂神社へと向かいます。平成のいま、1億円かけても作れないといわれる見事な牛車が、京都御所には残っているのです。葵祭紗袷2★
招待席には、葵文の着物姿、もしくは葵文の帯を締めた美しい女性たちをお見かけしました。私は葵文の紗袷。外光と室内で微妙に色が違いますので、2枚アップします。
DSCN9960一月ほど前に、葵文の紗の生地に出会い、この色に染めて紗袷に仕立てました。私にしては地味ですが、いい色です。8年前、明るい色の紗袷が欲しくて欲しくて、捜し歩きました。なのに、東京の老舗デパートの呉服売り場にあったのは、小豆色とか鼠色の秋草文ばかり。以来、紗袷はずっと私の課題だったのです。
いま流通している紗袷とは、下地に友禅で書かれた文様があり、そこに、ほぼ無地の紗をかけるものです。しかし、葵が織られているため、上から紗を重ねたのでは、文様が見えません。そこで、下に白い紗を持ってきて、葵が浮き出るようにしてみました。この生地を作られた方は最初、反対されましたが、ごり押ししたわけです。結果、大成功でした。
正直、紗袷は暑いですよ、着ている本人には。なるほど、東京では売れないから派手な色は仕入れないと老舗デパートの呉服売り場で言われたことに納得です。なにせ賞味期限は5月後半のみ。京都人は、それを楽しんでおられる、さすがですね。

2013年5月、足沙式、雨龍図に雷

足沙式絣若冲帯★若冲帯 モノクロ

5月5日の競馬会神事に先立ち、上賀茂神社で足沙式(あしぞろえしき)が行われました。

洋服にするかどうか迷った末、前に雷の描かれている雨龍図の帯を締めていきました。上賀茂神社は賀茂別雷神社(かもわけいかづち)ともいわれ、雷の御神威により、あらゆる災難からの厄除でも知られているからです。実は4月25日の献香式@上賀茂神社でも、ターコイズの鮫小紋に同じ帯を締めました。

今回の着物は母の晩年の紬。しつけ糸が残っていたので、未着用だったか一度だけ袖を通したか・・・。陽射しは強く、しかし風が冷たい日で、紬でちょうどいいくらい。さすがに5月1日では桜色を着るにはなれず、さりとて新緑に溶け込まぬよう、幹の色を選んだわけです。

その後に寄った誉田屋源兵衛さんのところで、この写真が誕生しました。たまたま訪れていた玉利カメラマンがこの文様に惹かれてシャッターを切ったというわけです。モノクロいいですね。陰影を計算されての作品、さすがです。この写真は、オリンパスギャラリー大阪(本町)で展示される予定。「オリンパスペンEES・オリンパスボディキャップレンズ作品展」(8月1~21日)。