葵祭初体験。朝、御所を出たご一行は、下鴨神社、上賀茂神社へと向かいます。平成のいま、1億円かけても作れないといわれる見事な牛車が、京都御所には残っているのです。
招待席には、葵文の着物姿、もしくは葵文の帯を締めた美しい女性たちをお見かけしました。私は葵文の紗袷。外光と室内で微妙に色が違いますので、2枚アップします。
一月ほど前に、葵文の紗の生地に出会い、この色に染めて紗袷に仕立てました。私にしては地味ですが、いい色です。8年前、明るい色の紗袷が欲しくて欲しくて、捜し歩きました。なのに、東京の老舗デパートの呉服売り場にあったのは、小豆色とか鼠色の秋草文ばかり。以来、紗袷はずっと私の課題だったのです。
いま流通している紗袷とは、下地に友禅で書かれた文様があり、そこに、ほぼ無地の紗をかけるものです。しかし、葵が織られているため、上から紗を重ねたのでは、文様が見えません。そこで、下に白い紗を持ってきて、葵が浮き出るようにしてみました。この生地を作られた方は最初、反対されましたが、ごり押ししたわけです。結果、大成功でした。
正直、紗袷は暑いですよ、着ている本人には。なるほど、東京では売れないから派手な色は仕入れないと老舗デパートの呉服売り場で言われたことに納得です。なにせ賞味期限は5月後半のみ。京都人は、それを楽しんでおられる、さすがですね。
2013年5月 葵文の紗袷@葵祭
2013.05.16