トップセールス外交

安倍総理、120人もの財界人を引き連れて、ロシア、中東などでのトップセールス外交を始めた。アメリカやフランスでは当たり前のこのスタイル、ビジネスの中身については議論の余地がありそうだ。トルコへの原発輸出は国内での反発も大きいと予想される。

日本のロシア公式訪問は10年ぶり。そういえば、安倍総理の父上が外務大臣時代、旧ソ連を訪問していたのを思い出す。植物園には当時、贈呈した桜の木々が存在する。経済使節団を連れたロシア訪問は、中国けん制と、北朝鮮との関係修復に大きな意味がある。ロシアは北朝鮮と密接な関係にあるのです!

 

チェチェンの現実

チェチェン人にとって「誘拐ビジネス」は公共事業だと言った人がいる。実際、チェチェンには、それ以外に経済活動がないという現実を、私たちは知るべきである。彼らをそういう状況に追い込んだのは、旧ソ連の政策、そして、アメリカのブレジンスキの策略だが、これについては、また改めて。

献香式

昨日は上賀茂神社の献香祭に参列。葵祭りに向けての神事のひとつです。実は、私が献香祭に参列するのは二度目。前回は志野流若宗匠の蜂谷宗ヒツさんの宗名披露の翌日、ご一緒したのです。静寂の中、ときどき葉づれと鳥のさえずりが響き、とても清らかな気持ちになりました。

フランスの同性婚

フランス議会で、同性婚と同性婚カップルによる養子縁組を認める「すべての人のための婚姻」法案が可決。賛成331票、反対225票。反対派は国民投票を求めているというが、オランド大統領の公約でもあった。同性婚を認めたのはフランスが14番目。ちなみに13番目はニュージーランド。

プーチンの反応

ボストンマラソン爆破事件、ロシアのプーチン大統領が支援の用意があるとオバマ大統領に伝えたのは、事件の直後、犯人が特定される前のこと。兄弟がチェチェン系と聞けば、既に何か情報を持っていたのでしょう。ボストン市が2年前に爆破事件を想定して訓練していたというのも気になります。

杮葺落四月大歌舞伎

内覧会では鳥肌が立つほどの感動を覚えた新しい歌舞伎座。中で観劇するのは今日が初めてだ。行ってみると、人、人、人、で、内覧のときの感動は半減してしまった。建築物って難しい。完成時に輝いていても、中での営みが始まってみないと真価ははかれない。

楽屋に行ってみると、役者にはいまひとつ不評なのだ。四代目を踏襲してモダニズムに走らずにいてくれて嬉しい私だったが、中堅どころの役者からすれば、新しさがないと落胆が大きい。思い切り変えれば絶対に不満の声が上がったであろうに、さほど変わらなければ、それもお気に召さないとあれば、設計者はどうしたら良かったのだろう。よほど歌舞伎に精通した建築家でなければ、その匙加減は無理だ。そんな建築家が平成日本に存在するとは思えない。

5列目ど真ん中で拝見できて幸運なのだが、以前ほどうれしくないのはなぜだろう。やはり勘三郎さんの存在が大きかったのだろうか。肌も体のラインも若いころの水準を保とうと日々努力している玉三郎さんは見事だったが・・・。

会場では書塾生に遭遇。劇場を後にして銀座で開かれたエンジン01の総会に出席。夜、帰宅すると揺れを感じた。震源地は銚子だという。先日、京都にいるときにも淡路島からの揺れが来た。なんだか地震に追いかけられている感じで怖い。

歌舞伎については、もう少し整理して、改めて書きます。

 

 

スーチーさんに思う

ビルマのアウンサン・スー・チーさんが来日。龍谷大学での名誉博士号授与式に出向いた。

私自身、午前中は大阪で仕事があった。その間、彼女は京大、裏千家今日庵で過ごしていた。全体にスケジュールが押していたのと出迎えた学生たちとの触れ合いに時間を費やし、予定されていた講演は短いものとなった。仏教を通した民主化がテーマだったので、もしかしたら、最初から簡単なものしか用意していなかったかもしれない。

私が彼女に会ったのは1996年初め。独立記念日に彼女の自宅で開かれる野党NLDの集会にもぐりこんだところから始まる。当時は軟禁状態だったので、そこに至るまでも書けば長い話だが、ビルマの党員のふりをして中ではまず息子と仲良くなり、つないでもらったのだった。その日は熱があるとのことで、短い会話にとどまったのだが、それでも彼女の人となりは伝わった。女性としては十分すぎる魅力がある。

最近のスーチーさんを見ていると、ビルマ人というよりイギリス人かな、と思う瞬間が多くある。留学だけでは身につかない何かがある。軟禁状態にあったとはいえ、これまでの生活費や活動資金など、英米からの援助が大きかったと私は推察している。

自宅は豪邸で、中で党大会ができるほどの広さがあった。当時インドネシア民主化のシンボルだったメガワティさんの自宅よりはるかに広いと記憶している。もっとも、先にスーチーさんに会っているので、その記憶もアテにならないのだが。

民主化のシンボルから大統領になるまでの道のりは長い。インドネシアはスハルト政権崩壊後の政治闘争の中でメガワティさんが大統領の座についた。軍事政権を残したまま民主化が始まったビルマでは、いきなりスーチーさんがトップには立つことは難しい。

彼女に信念はあるが、政治闘争を勝ち抜く力や統治能力は別物である。だが、ビルマが不安定であることはまた、外から関与しやすく、英米の望むところではある。彼女が大統領になる日が来るとすれば、英米の力が強く及んだ時だと考えていいだろう。

 

 

 

 

2013年4月 名残の桜、葺落四月大歌舞伎

ピンク2ピンク1
特定の花が描かれているわけではないので、桜が終わったころに便利な着物です。似たような色使いの帯を合わせてみました。桜の名残であるピンクがミソ。
帯揚げは、タイシルクの桜色と空色を重ねています。前回のコチニールの花織の帯で受けた指摘を反映して、帯締めを帯と同色にしています。なるほど、柄が生きますね。
★歌舞伎座 1 shot
東京にいると、この色使いに抵抗があるものですが、京都だと評判がいい。柄×柄を着こなしてこそ、という目線もあります。
ピンク3
この組み合わせで新しい歌舞伎座へ。すでに開場前に内覧して感動を覚えた私としては、敬意を表して訪問着で行きたいところ。しかし、その後に出席したエンジン01の総会では仰々しいので、小紋にした次第。第二部を終えて外に出たら、光が足りなかったみたいです。暗いけれど、アリバイ写真ということで掲載します。

恩師との別れ

昨夜、四谷のイグナチオ教会で、上智大学名誉教授の村井吉敬先生の葬儀ミサ+お別れの会が開かれた。

献花のとき、ほとんどの人々は感謝の思いを伝えたに違いないのだが、私はひたすらお詫び。まず、博士論文を書いていないこと。ワシントンDCにいる間に、私の関心は占領期に向かってしまった

もうひとつは昨秋、先生が手術をされた旨、メールを頂いたのに、すぐに会いに行かなかったこと。前向きな文面だったので、急がなくてもいいと判断したのと、私自身が大腸ポリープ切除の手術を控えていて、正直、不安でいっぱいだったためだ。

先生は『エビと日本人』などの著書で知られるが、「小さき民」の目線からインドネシア社会の矛盾を指摘されていた。