副島種臣「不動明王」

落ちこぼれ書塾生でも、稽古の前日と書展の前には筆を持つもの。で、昨日から和紙の前で奮闘中。今日が稽古。明日が提出する作品を先生が選ばれる日。

今年の書展のテーマは「近代書史」。よって、これまでのように、空海の風信書、道元の普勧座禅儀、蓮如(親鸞の歎異抄がないため)の歎異抄の臨書というわけにはいかない。「近代」で唯一好きな副島種臣に挑む私だが、よせばいいのに、「不動明王」を選んでしまった。もっと書きやすいのがほかにあったのに、「お護りになるしなあ」と石川九楊先生に言われて、つい決めてしまった。

隷書的要素ももった不思議な文字だ。しかも、滲みまで再現せねばならない。紙によって、かくも滲み具合が違うとは! ここ数年、(軸にして家に掛けるため)小筆で乗り切ってきた私は、墨の分量も計算できない。しかも今日は雨で湿度が思い切り高い。紙の湿気が半端でないから、ますますだ。なんでここまで滲むのかな。

やっぱり高野山で一人合宿をすればよかった。6月に伺ったとき、「不動明王」と書かれた半切が何枚もお部屋にあったのを思い出す。無量光院の土生川先生がお書きになったのだと後で聞いた。かくなる上は、青山墓地の副島種臣のお墓に手を合わせ、お力添えを頂こうか。

なんて他力に頼るなぞ、いかんいかん。うーん、せめて今月に入ってから毎日書けばよかったのにね。でも、ずっと次回作の原稿で引篭もり状態。今月中に第一稿を仕上げねばならぬ身。両立しないんだなあ、これが。俳句だとお風呂の中でも浮かぶけど、書も原稿も紙(あるいはPC)の前に拘束される点では縛られ具合も苦しさも似ている。あーあ。

愚痴につきあってくれてありがとう。また墨をすります。

鳥居ユキ・ファッションデザイナー50周年

昨夜は鳥居ユキ先生の「100回目のコレクション&ファッションデザイナー50年を祝う会」。今朝は二日酔い気味だ。

作品いつにもまして充実していた上、ショーも多面的で厚みがあった。デザイナー鳥居ユキの歴史をたどる際、先生のデザイン画と作品を同時に見られたのも新鮮で嬉しかった。

若いモデルが可憐に着こなすのはいつものことだが、モデルの秀香さんが久しぶりにランウェイに登場した途端、鳥肌が立った。カッコいい!の一言に尽きるのだ。アドリブの才能も含め、オーラが違う。プロとはかくあるべき、と現役のゆるいモデルたちに言っているがごとくである。

その後も、若いころに先生の洋服を纏った大御所が次々にドレス姿でランウェイに登場。エスコート役の男性人もメンズコレクションでモデルを務めた面々だ。芳村真理さん&奥田瑛二さん、ジュディ・オングさん&三枝成彰さん、加賀まりこさん&鳥越俊太郎さん、木の実ナナさん&服部幸應さん、岩下志麻さん&須磨久善さん。何歳になっても美しい先輩たちに、びっくりである。

当日着たドレスは、追って写真をアップする予定です。

天変地異は地球全体に降りかかる

タイの洪水が心配だ。日本企業の工場が受けた被害は甚大らしい。

しかし、夏の段階で、ある程度想定できたのではないか。完成した車はともかく、大切なものはバンコクの高層ビルに移すか、工場の階上に上げておくくらいの対策は必要だった。

50年ぶりの洪水という。日本では100年に1度に震災を経験したのだから、50年前と同じ規模の洪水は想定すべきだった。

日本で起きたことは地球全体に降りかかる。結果、海岸線、そして世界地図が変わるということだ。海外にオフィスや工場を持つ企業は、転ばぬ先の杖、過去100年の天変地異をチェックの上、早々に対策を講じてはどうだろう。311の恐怖を味わった日本の本社がその方針を打ち出し、世界中の支社長にそれを命じるべきである。

親の使命は子どもの自立を促すこと

子どものいない私が言うのも生意気だが、親の最大の使命は、親がいつ死んでも、残った子どもたちが自立して生きていけるよう、日ごろから教えることにあると私は常々考えている。

今朝、NHKのニュースを見ていて、胸が熱くなった。障害を持つ子どもの母親が、震災を機に意識を変えたというレポートだ。避難所に行ったときにパニックにならないように簡易テントを買って日ごろから慣らすとか、いざという時に自分の足で逃げられるようベビーカーに乗せる時間を減らして歩かせるようにしているとか、自分亡き後、娘の道しるべになってもらえるよう地域の障害者を持つ親との絆を深めているとか、である。少々のことでは自分は死なないと思ってきたが、自然災害を前にしたら、そうは言い切れないと悟った。だとしたら、我が子はどうやって生きていくのか。最悪の事態をシミュレーションし始めたというわけだ。

放射能に過剰反応していると世の母親を非難する男たちがいるが、父性と女性の違いではないかとつくづく思う。学校にクレームをつけたがるモンスターママは異常だが、子どもの将来を見据えて、放射能汚染から守りたいと思うのは母性本能が正常な証拠だ。

日本中の人々が、311以降、多くを学んで賢くなっている。まずは自然への畏怖の念を抱き、謙虚になることが一番だ。そうすれば、自ずと子どもを守る方法もみつかるというものである。

最近の冷蔵庫事情

突然、冷蔵庫が壊れて右往左往。見れば欲しくなるからと、13年間、店頭で見るのを避けてきた私は、異文化圏に身をおいたに等しかった。同じ経験を持たれた方がいらしたらお役に立てるかもしれない。現段階での冷蔵庫事情を記そうと思うが、長いので、ご覚悟を。

冷蔵庫の新作が出るのは秋と決まっているらしい。店頭では9月ころから型落ちが値下がりを始めるので、納得のいくものを選ぶなら、在庫が残る、いまがチャンスである。

冷蔵庫だけは大きめを買うべきだと思う。ある友人は、子どもが独立したからと小さめを勧められたが、結局、年末におせち料理を作る際には、小さすぎて後悔していると語っていた。私が大型にこだわるのは、夏の間、調味料と化粧品を入れるためである。海外取材で家を一週間も空けたら最後、我が家は蒸し風呂と化す。だから、春夏はあらゆるものの冷蔵庫収納が「マスト」で「ベスト」なのである。

この数年、日本のメーカーは庫内を広くすることに心を砕いてきた。同じ幅でも、13年前の440リットルが520リットルへとキャパが広がっている。しかも、限りなく壁に近づけても熱がこもることもない。置き場が決まっているキッチンなら、許す限り大きいものを選んだほうが賢明とみた。隙間を作っても無駄になるだけである。電気代も安くなったので、冷暗所保存を謡う食材棚として使えばいい。

あとは、帯に短し、襷に長し。節電技術も除菌機能も冷凍技術も、決定的な違いはない。自分のライフスタイルで判断するしかないだろう。

最後まで候補に残ったのは、日立だった。「真空チルド」機能に惹かれた。刺身や食べかけのものを入れても、低酸素で鮮度を保てるからだ。ハムも塊だと簡単には減らないが、ここに入れれば味が落ちないらしい。気圧が低いので、浅漬けなど、急いで味をしみこませたいときに力を発揮する。毎日、手の込んだ料理を作る主婦にはいい。しかし、1歳の子どもがいる従妹は、使いこなしきれていないという。チルドか氷温の切り替えが必要で、上手にやらないと、ほかの温度が変わってしまう難しさがあるらしい。

とはいえ、彼女が使っている600リットルクラスの大型はかなり魅力的だ。クリスタルドアで、見た目が家具のように美しい上、下の2段がボタンひとつで開く電動式。重い引き出しを手で開けなくていい。幅685ミリサイズにこの機能がついていたら、私は迷わずコレを選んだ。

総合的には三菱がよいと思う。働く主婦にはメリットが多い。「瞬冷凍」熱いままの食品をセンサーで検知して一気に味を壊さず冷凍可能。熱いご飯も水分を飛ばさずに冷凍できるという。マイナス7℃という絶妙な温度で冷凍した肉を包丁で切ることができるのが嬉しい。あとは中の棚のレイアウトを変えられるのも売りだが、万人に必要な機能かどうかは別だ。

東芝は「べジータ」と名づけただけあって、野菜重視。野菜鮮度を保つための「ピコイオン除菌」で、鮮度劣化の原因となるエチレンガスの分解にビタミンを逃さないのが特徴だ。レイアウト的には真ん中に野菜室がある6ドアには魅力を感じないが、上段と中段が一体化した5タイプにはそそられた。冷凍室以外を一気に見渡して、献立を考えることが可能だ。

一番おしゃれなのは、やはりパナソニックだ。ナノイー機能が冷凍技術や鮮度保持に役割を発揮し、デザインと使い勝手は十分に魅力的ではある。ただ、観音開きのドアの左右の比率が極端に右扉が大きすぎるのが我が家にはマイナス要因となった。

結局、私がシャープを選んだのは、プラズマクラスターによる除菌・脱臭、製氷技術が優れていたからである。冷凍などで細々機能がついていても、使いこなせなければ意味がない。それに、観音扉の開閉が一番スムーズだったのも決め手となった。実際、使ってみると、匂いはつかず、「透明な氷」がおいしい。LEDライトのキラキラも、開けるだけで楽しくなる。

実は、もうひとつ考慮したポイントは、コンプレッサーだった。今回の壊れた原因がそこにあったからだ。ある店頭では、日立とシャープを店員が絶賛していた。東芝は中国製だとも教えてくれた。メーカーに問い合わせると、日立は情報公開していないと言われ、それが疑惑を生んだ。タイ洪水のニュースを見ていると、日立もタイあたりで作っているような気配である。シャープの場合、ブラジル製を使っていると正直に伝えたのも気に入った。

おしなべて大型冷蔵庫は日本で組み立てられているが、小型は組み立てもアジアが大半なので、そこは調べたほうがいいだろう。

この秋の新作も、大きな機能のチェンジはない。10年以上使っている人は、お正月前に一度、店頭で見ておくことをお勧めする。なにせ「ジ・エンド」は突然やってくるのだから。

新潮ドキュメント賞パーティ

昨夜は三島賞と新潮ドキュメント賞贈呈式&祝賀パーティだった。

この手のパーティで審査員もしくは受賞者の挨拶がとてつもなく長いことがある。立食だとじっと立っているのがつらく、つい椅子が恋しくなるものだ。昨夜は三島賞受賞者の挨拶が長かった。

もしも、その後の登壇が元ニュースキャスターでなければ、私は廊下に出ていたに違いない。新潮ドキュメント賞審査員である桜井よしこさんのスピーチは決して短くはないものの、ご自身のお考えを例の語り口でぴしっと決めて、思わず聞き入ってしまった。足は疲れたが、脳に心地よい刺激を頂いた。論旨の組み立て方がすばらしい。そして、あの語り口。メモ一つ見ないで話すくらいには自分にもできるが、あの間のとり方は、盗みたくても盗めない。

ところで、昨日、店頭に並んだはずの『プレシャス』に、着物姿で出ています。いまならコンビニにあります。ぜひご高覧を! 昨夜のパーティの着物はこちら→http://www.akiosatoko.com/kimono/

冷蔵庫がやってきた

本日、冷蔵庫の新旧交替が終了。13年も私とつきあってくれて、これまでの冷蔵庫、ありがとう。もっと、ぴっかぴかに手入れして付き合うべきだったと反省仕切り。

で、私の選んだ冷蔵庫は、シャープのプラズマクラスターである。決め手は、除菌・脱臭と製氷機能。食中毒系も心配な昨今、これが必要になると判断した。幅が同じでも、来ないはぐんと広くなっている。LEDライトも明るくきれいで、楽しい。箱がぴかぴかだと、使いかけの調味料も入れるのに躊躇する。この緊張感をどのくらい持続させられるだろう。

最後まで迷ったのは、日立だった。塊のハムなど、食べかけの物の味をキープできる真空チルドは魅力だったのだが・・・。

最近の冷蔵庫事情については、改めて記したい。この数日間の研究で、気分は家電ジャーナリストである。私同様、突然、壊れた方のために整理しておきたい。

冷蔵庫が壊れた!事件

「ジ・エンド」は突然やって来るものである。 

先月下旬に突然、冷蔵庫が壊れた。何の前触れもなく。

朝起きて製氷室を開けてみれば、半分水になっている。変だとは感じつつも、前の晩に疲れて、引き出しをぴっしり閉めなかったに違いないと反省して、仕事場へ向かった。だが、昼食を作ろうと家に戻り冷蔵庫を開けてみると、なんとなく冷たくないのだ。製氷室の隣の冷凍室では、食材が解凍されつつある。しかし、最下段の冷凍室は凍ったままだ。停電に備えて山ほど保冷剤を凍らせれいたから、中は冷凍状態なのである。 

食事を終えた私は、生ものを仕事場の小さな冷蔵庫に、固まっている保冷剤を冷蔵庫に移して冷蔵状態を作り出し、午後はメーカーの窓口いろいろに問合せに専念した。どうやらコンプレッサーが故障したと知る。修理に7万と聞けば、買い換えるしかない。なにせ13年前と比べれば、電気代が半分以下。そのほうが賢明だ。 

夜、新しい冷蔵庫を探しに店頭へ向かった。鮮度保持や冷凍の技術が微妙に違い、即決できぬまま。翌日から友人知人に問い合わせメールを送った。この2年以内に冷蔵庫を買い換えた人の助言を聞きたかったのである。だが、冷蔵庫は10年選手。見れば欲しくなるので、売り場に足を踏み入れたことがなかったのと同様、友人知人も5年は使い続けている人ばかりで、最近の技術革新には疎かった。

 結局、ネットと店頭めぐりを重ねて、決めるのに8日を要した。猛暑が去り、調味料を常温で放置できるほど涼しくなったから得た猶予期間。おかげで、最近の冷蔵庫事情に詳しくなった私であるが、はてさて、私が選んだ冷蔵庫とは?