2011年05月 根津美術館にて

杜若
根津美術館の杜若を背景に写真を撮ってもらいました。20代のときに母が仕立ててくれた小紋です。きものを始めたころは大胆な幾何学文様のお召しや個性的な花文にばかり目がいって、この小紋は若作りにしか見えないと思い込み、袖丈が5寸のまま直すこともなく、箪笥にしまっていました。
杜若を意識して、紫地に花鳥の刺繍帯を締めてみたのですが、柄柄で少しうるさいかもしれませんね。幾何学のほうがシンプルでいい。以前、かわの屋さんで購入して、この日が初お目見え。まだ硬くて締め辛かったです。
五寸の襦袢は少なく、赤を着ています。汗ばむと胴裏に赤くにじむので、紅花染めのように思われます。

エネルギーシフトを国策で

 震災(そして原発事故)は、転じて日本が全く新しい価値体系を持った国に生まれ変わる千載一遇のチャンスだった。自然と共生しながら、経済活動を行える社会を、皆が一丸となって創り出せたはずだった。 

どうやら大半の人々はそれに気づかず、20世紀型社会へと戻ろうとしている。中部電力の英断について、日本経済が駄目になるという切り口で伝えるマスコミの論調が、それを物語っている。 

昨日から紀伊水道や和歌山北部、山梨西部での地震が続いていることに注目したい。アメリカではミズーリの氾濫で、大勢の人々が命を落としている。東北の震災は始まりにすぎず、今後、日本各地、世界各地で、大災害が起きそうな気配だ。ここ数日の地震は、それを暗示している。

  中部電力の本音はどこにあろうとも、原発停止を決断したことが大正解だったと、後に評価されるに違いない。菅総理だって、同じことだ。経済より、いのちを優先した総理、経営者であったと歴史に名を刻むことだろう。

 一刻も早くそのことを認識して、政府は国策で自然エネルギーにシフトしてほしい。浜岡で太陽エネルギーの開発に取り組めば、2年後には中部電力の株が上がるということがイメージできないのが残念だ。福島も浜岡も、せっかく海に近いのだから、海藻を中心としたバイオマスの開発に適した場所なのだが。 

他方、メーカーなどの企業はすでに、そちらに動き始めている。蓄電池開発などへの新しい取り組みが報道されるたび、日本企業の底力に頭が下がる。政府を頼らず、自家発電などで独自の方法で切り抜けるであろう企業に対し、新しいエネルギーを供給することこそ、政府の役割である。

2011年04月 小紋 更紗風

 小紋はあまり好みではない上に、こんな地味な色合いが似合う日はずっと来ないと思っていたのですが、大丈夫になってしまいました。自粛モードでなければ、袖を通さなかったかもしれません。
青い帯は縮縮のミロです。名古屋だから締めやすい。朱や江戸紫でも合いそうですね。
何がおきてもおかしくない昨今、できるだけ多くの着物に息吹を与えて記録することで、母と祖母の供養になればと考えています。

浜岡原発停止、「はじめの一歩」

「横須賀に米軍基地があって、良かったね」 

友人との会話である。総理を動かしたのが皮肉にも米軍だとすれば、私たちはその幸運を喜ばねばならないが、いかなる理由があろうとも、浜岡原発停止を決めた菅総理の英断は歓迎しよう。未曾有の震災の後、これで日本が新たな一歩を踏み出すことになるからだ。この勢いで太陽エネルギーへとシフトできるかどうかは、国民の声の大きさにかかっている。

 「次は”もんじゅ”。止めてほしいね、トラブルが続いているし。でも、福井県周辺には米軍基地がないし、どうしようか」

「だいたい誰が活断層の上に作ろうって言い出したんだろうね。浜岡なんて、どう見ても危ないのに」

このところの私は 原発が導入された経緯を図書館に通いながら文書をたどって調べている。当時の国際的な原発フィーバーを知れば知るほど、資源のない日本が原発に飛びつくことは誰にも止められなかったように思える。情報の少なかった時代、「放射能も癌も10年もすれば、薬がみつかる」などと言われれば、地元の人々も「そうかな」と思ったに違いない。もっといえば、鉄腕アトムのような賢いロボットが開発されて、壊れたときも修理してくれるだろうと発想してもおかしくない、そんな時代の勢いがあった。

 最初に東海村を選んだのは、原発導入に前のめりだった正力松太郎である。初期には誘致に国会議員がからむことは少なくなかったが、しかし浜岡原発については、中部電力が独自で動いたようだ。三重県の候補地が反対運動で行き詰まり、他社より出遅れた形で静岡県を選んでいる。

 そもそも誘致には過疎地が狙われやすい。原発建設が始まれば、農家は労働者のために民宿を始め、漁民には補償金が支払われる。電力会社は道路や公共施設を作ってくれるし、社宅用に土地を購入してくれる。地元には雇用がうまれ、民宿も店も賑わい、原発バブルが沸き起こる。地元議員には祝い金も支払われ、自治体は補助金で潤う。沖縄の米軍基地をめぐる問題と構図が似ている。原発建設が終われば、潮が引いたように静かになり、バブル景気が恋しくなる。企業はそこを狙う。そして、もう一基ーー。麻薬のようなものだ。

 それを止めるとすれば、今回のような天変地異しかない。これほど酷い目にあったのだから、思い切って太陽エネルギーにシフトしても、国際社会から文句は言われまい。さすがに「全廃」と言えば総理が原発推進派から刺されることもあるやもしれぬが、3基くらい止めたところで、命の危険はないはずなのだ。

政権が交代してもなお、米軍の指示待ち総理しか持てぬ日本に進化はないのだろうか。私たちが180度生き方を変えない限り、津波に呑み込まれた人々の無念ははらせぬというのに、どうしたものか。

減給は東電だけ?

東電の役員報酬が半減でいいかと聞かれれば、不十分な減給だと答える。少なくとも会長と社長と副社長は、今年だけでも無報酬にすべきである。

 同時に、経済産業省の保安院、内閣府の安全委員会のメンバーも、経済産業大臣も無報酬でなければならない。もっと言えば、過去10年間遡って、短くともその座についた歴代経産大臣と、経産官僚のうち原発関係者も一律に減給されるべきだと私は思う。

 すぐに電気料金値上げを叫ぶのも間違いである。まずは原発推進のための法外な予算を、すべて賠償にあてることが先決だ。もっとも、その中には広告費も含まれているから、この考えには大メディアは乗って来ないと思うのだが。

太陽エネルギーは東北発で

この場に及んでもまだ、原発推進という人が多くて、びっくりする。

 震災以降、恐怖心でいっぱいになったのは、これが地球から人類へのメッセージだと私が考えているからだ。だとすれば、これを機に日本が最初に太陽エネルギーにシフトすべきである。そうでなければ、津波にさらわれた人々の無念をはらすことにならない。

 東北の復興は、新しいエネルギーの発信以外に考えられない。原発はこれ以上増やさず、自然エネルギーを使った街づくりを考えるべきである。なかでも私が関心を抱いているのは、バイオマスだ。津波被害にあった地域は、東北でも日照時間が長く、海藻が豊富に獲れる。その海藻を使ってオイルを作るのである。

 海藻に太陽を当てると、ものすごい勢いで増える。いわゆる光合成である。そこに悪者と言われている二酸化酸素CO2をどんどん送り込むと、結果、オイルを精製できる。そもそも石油は、それが化石になったものだと考えれば、わかりやすい。

 原発一基分を補うのに、バイオマスがどれほど必要かまだ掴んでいないが、少なくとも政府は即、バイオマスに舵を切り、原発に替わるエネルギーを国策として開発すべきである。

 日本人のすばらしさは、鎮守の森にある。自然を畏れ、感謝を知っていることに集約される。戦後65年、世界潮流に乗り遅れまいとひた走ってきたが、被災したいまこそ日本が新しい社会のありようを提示して、世界をリードすべきなのである。金儲けの亡者は別として、心ある人々は、被災した日本がどう立ち居振舞うのか注目しているのだ。日本人の美徳とは、自然に対して謙虚になることであり、自然に感謝することであると私は考えている。

福島のお酒、試飲即売会

本日11:00~16:00、「被災者応援フェア『マルシェ』」と題して、
東京国際フォーラム1F広場にて、福島県産酒の試飲即売会があります。

間に合わない方は、販売終了後の17:00~20:00、お酒の会もあるとのこと。会場は東京国際フォーラムB1「宝」です(03-5223-9888)。

末廣のHPも覗いてみてくださいね→http://www.sake-suehiro.jp/top.html

Gジャン2

この花柄刺繍はアンナモリナーリ製。上智大学大学院に通っていたころ、キャンパスから弁慶橋に向かう途中、ニューオータニのサンローゼ赤坂のウィンドウに飾られていたのを見つけて一目ぼれ。Gジャンに費やすにはあんまりの値段でしたが、私好みのショート丈は当時まだ、めずらしかったので、一晩悩んで購入したのでした。

Gジャン1

これも数年前の鳥居ユキ先生の作品。黒い部分はジョーゼットでしょうか、透けます。ジーンズの花のアップリケがほどこされ、アーティスティックですよね。

ジーンズのミニスカートをあわせて着ています。

ポピー2

10年ほど前にシンガポールで出会ったセリーヌのコットン・スーツ。といっても、セールでかなり安かったと記憶しています。

しばらく着ていなかったが、ラピスラズリの大玉ネックレスに合う数少ない服なので、今年は着てみようと思っています。