2006年8月 誕生日

あまり嬉しくなくなった誕生日は和服で迎えることにしました。
5月末に歌舞伎の千秋楽に着用した雪華の夏帯に合うように
絽を青空のイメージに染めてもらったものです。
帯びの後ろは前回ご紹介しているので、今回は正面のショットをアップしてみます。
帯締は安物ですが、色がぴったりなので。

2006年7月&8月 日本の真髄「能」

『ノーブレス』7号では人間国宝で能楽師の三川泉さんにお目にかかりました。その際に宝生能楽堂で撮影したのがこの写真。
当日の朝、先方が生成りの上布とうかがったので、急遽、このアンティークきものを着ることにしました。
この御所解き文のきものは7月に玉三郎さんの舞台を観に出かけた時にも着用しています。

これを購入した「かわの屋」さん主催の食事会で、草木染の吉岡幸雄先生が講演されるというので、せっかくだから見ていただこう、とこれを着て出かけたのですが・・・、
絽麻ではなく、生絹(すずし)と指摘されて、皆で愕然! 明治初期、化学染料が日本に入ってきたばかりのころの着物だそうです。刺繍糸の毒々しいピンクをみれば歴然ですね。
帯は母の絽つづれ。帯留は無地の着物用に用意していた能面です。

2006年6年 山王ホテル

元在日米国機関の人々の会合に同行した折、あまりに暑くて6月なのに麦文の絽を着用。絽で面白い柄は滅多になく、「かわの屋」さんでこれを見つけた時は迷わず購入しました。   祖母の緑の帯も茶色の帯も合いそうだけれど、この日はトンボを飛ばした帯を選び、麦とトンボの羽と同じ紫色の祖母の帯締めを締めました。蜘蛛の巣文の襦袢が適度に透けるのも楽しい。麦文を着ると思わずビールが飲みたくなるから不思議ですね。

2006年6月 羽織を着物に

鬼太郎のお父さんを思わせる花は、前衛的に描かれた向日葵です。母の遺品を整理した時、押入れの中から洗い張りを終えて丸められていた生地のひとつ。「きもの一番館」の塩尻さんに相談した結果、この柄はめずらしいというので、染み抜きに出して仕立てることにしました。
ところが、染み抜きの結果、これが羽織だったことが判明し、がっかり。きものに仕立てるには身丈が足らないのです。結局、おはしょりと帯で隠れる部分に黒の別布を足して単衣のきものに仕立ててもらいました。
あまりに上手に仕上がっていたので、早速、「誉田屋」さんの螺鈿の帯を合わせて神楽坂での集まりに繰り出しました。

2006年6月 日本の真髄「雅楽」

7月に出る『Noblesse(ノーブレス)』6号「日本の真髄」で雅楽師の東儀秀樹さんのお目にかかった時に着用した絽ちりめんの向日葵文。
帯留めのトンボはナイフフォークレストなので、昨年は糸で羅の帯に縫いつけていましたが、今回は荷造り札の細いワイヤで留めました。
この帯とトンボのブローチ作戦については2005年7月に記しました。

2006年6月 団菊祭の千秋楽

団菊祭の千秋楽、今度は昼の部に。この季節の着物は難しく、雨になれば、雨コートとの色の取り合わせも気になるところ。幸い陽射しは強いものの、湿気はなく、雪華文を選びました。
実はこの母の鮫小紋のきものは袷なので夏帯を合わせるのは厳密にみれば問題ですが、色が黒であることと、5月末ということで良しとしました。
この鮫小紋より少し明るめの絽の着物があれば、文句なし。しかし、既製品では明るい色は存在せず、特注しかありません。それにしても、夏に雪文を持ってきて涼をとる日本人のセンス、すばらしいと思いませんか。
バッグは先日バンコクで調達。タイシルクと綿の混紡です。雪をモチーフにしたコーチのキーホルダーがぴったり。ひとつとって帯留めにするには小さすぎますので、このままバッグにつけて使いました。

2006年5月 歌舞伎座へ


祖母の遺品を整理しながら、叔母が箪笥から娘時代のきものを取り出すのを見て興奮してしまいました。このお召しはどう見ても私向き。従妹も興味がなく古着屋に売るというので、譲ってもらいました。
派手なシミがありましたが、どうにか落とすことに成功し、まずは歌舞伎座の団菊祭に着用。珍しい文様のきものを着ていると、舞台の上から役者さんが気にしてくれるのが嬉しいですね。こういうものは京都や金沢では手に入りません。名古屋ならではの粋だと思うのです。
母校の東京女子大での講演にもこれを着て、学生時代に着付けをマスターして海外に飛び出すよう提案してきました。

2006年4月 国立劇場へ

日舞の発表会を観にいくのに着用。パーティで着ることを意識して、「いその」のセールで購入したのですが、この日初めて袖を通した次第。色がぴったり来るのがこの袋帯しかないのですが、できれば、簡単に結べる名古屋帯で、若緑か水浅木の無地がほしいところです。裾回しも綺麗な水色にしてあります。長襦袢はピンクでも水色でも大丈夫なのが嬉しいです。

2006年4月 柘榴、椿、南天

帯は「かわの屋」さんで手に入れた刺繍のアンティーク。色使いが気に入りました。今回は柘榴文にしましたが、椿文+南天文がリバーシブルで楽しめます。色あわせからいっても、山葵色のぼかしの紬がぴったり。
この紬の着物は、祖母の押入れから反物として出てきたもの。「本場結城紬」と烙印されていたのに、実はその表示は嘘。調べた結果、隣町の石下で織られた物らしいといわれたものです。、
紬なら単衣でも4月から着られると聞いて着用しました。ところが、襦袢が出てきてびっくり。寸法を指定より長く仕立てられたことが判明して仕立て直しに出しました。