客人、ロスより来る

土曜日は浅草に出向いた。あまりの暑さに死にそうだった。

アメリカで取材した日系三世が、親戚に不幸があったからと、日本にやってきたのだ。おじさまとお別れした後、残されたおばさまのケアで残っているのだという。とはいえ、時には一人になりたいだろうと、従妹が浅草のホテルをとってくれた。小倉に向かう前に、私に会うとすれば、この日しかなかった。

次回作にまつわる話はもちろん、大切な取材なのだが、それ以外にも、現在ロサンゼルスで起きていることが色々と面白いのだ。聞けば聞くほど、ロスは日本の未来図で、日本人、どうなってしまうのだろうと心配になる。これについては、後で詳しく書きたいと思う。

それにしても、ロスで生まれた彼女にとって、日本の湿気がどれほどシンドイか。若いころの一度の経験から、夏に日本を訪れまいと決意したのに、ご不幸があったのでは時期を選べない。しかも、数年ぶりの猛暑である。あの、ロスのさわやかさが恋しくてたまらないらしい。

それでも、アメリカには売っていない和物がいっぱい。特に浅草は種類が豊富な上にリーズナブルだから、彼女はショッピングに余念がない。両替では1ドル81円だったらしいから、以前に比べれば決して嬉しくはないのだろうが、お土産を買わないわけにはいかないのだ。

浅草だから、ウナギと天丼を提案したところ、ウナギは嫌いだという。そこで、大黒屋の天丼を食したのだが、朝から突然ひどくなった額関節症のせいで、食べるのに一苦労。おまけに、べったら漬を注文したので、これまた大変。でも、私が痛がれば、思い切り心配するタイプだから、あまりかまずに飲み込んだ。これが太る原因なのだが。

これまでは右の付け根が問題だった。2-3日前からは左。香港の整体師が言ったとおり。どうせ暑いのだから、香港に行こうかな。病院に通ったところで治るものでもない。こればかりは整体のほうが効果があがるのである。

日本の真髄とは

日本の誇るべき文化や精神を再発見する連載対談。
企画立案から出演交渉までを自らが担ったものです。
平成17年から20年までの間、不定期に発行された
Noblesseという雑誌に掲載されました。
平成27年夏以降、その続編を
本ウェブサイトにて展開します。
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