たったいま歌舞伎座より帰宅。第三部、最後は「助六」。
私がいまの歌舞伎座に足を踏み入れるのも今日が最後かと思うと、急に寂しくなった。芝居が観られないだけでなく、切符がないと、中に入ることさえできない。いや、違う。この空間そのものがなくなってしまうのだ。
終演がほぼ22時だったので、さすがに疲れた。詳しいことは気を取り直して改めて。
月: 2010年4月
そして楓の花
楓の産毛
楓が芽吹いてから
楓の芽
第12回アジア太平洋賞選考委員評
(毎日新聞2000年11月8日より)
選考委員:松永信雄(アジア調査会会長・元駐米大使)
田中明彦(東京大教授)
渡辺利夫(拓殖大教授)
松本健一(評論家・麗澤大教授)
北村正任(毎日新聞社主筆)
信頼置ける入門書
『運命の長女:スカルノの娘メガワティの半生』
ノンフィクション作家 秋尾沙戸子氏
アジア金融危機によって最も顕著な影響を受けた国はインドネシアである。30年以上にわたるスハル ト体制が崩壊し、ワヒド大統領を中心とする政権が民主的手続きによって誕生した。東ティモールが分解し、アチェやその他の地域での分離主義運動は続き、経 済情勢も苦しい。東南アジアの大国インドネシアの将来はまだまだ厳しいと言わざるを得ない。
そして、そのインドネシアにこそ、東南アジアにおいて戦後日本が最も重視してきた国である。学問的 にいっても、日本におけるインドネシア研究の水準は世界的なものが多い。しかし、それにもかかわらず、インドネシアの社会がどうなっているのか、どんな歴 史をたどっているのかについて明確なイメージをもって語れる日本人は多くはない。
そんな日本人にとって、インドネシア初代大統領スカルノの長女であり、そして現ワヒド政権の副大統 領となったメガワティ・スカルノプトゥリの半生を描いた本書は格好のインドネシア入門書である。
アジア金融危機前後のインドネシアに自ら飛び込んで体感した経験をもとに、一般読者と同じ視線でイ ンドネシアを描いていく手法は大変わかりやすい。著者の行動力と文章力はきわめて印象的である。
しかも、さまざまなエピソードの合間に展開されるインドネシア事情の解説は、単に現場にいて感じた というような印象論ではなく、それなりに、これまでの日本や欧米のインドネシア研究をそしゃくしたものであり、信頼性が高い。スハルト体制崩壊にいたるド キュメンタリーとしても読み応えがある。
ばら撒き反対!駅中(エキナカ)に保育園を
以前より再三、民主党の子育てばら撒き支援はおかしいと発言してきた私たが、ここへ来て急に、メディアが指摘を始めた。なんで今ころ? 法案が通る前にこそ騒ぐべきなのに。
しかし、この私にも盲点だったのは、外国の子どもを養子にすれば、私にも月々2万6千円がもらえるということ。だったら、世界各地の知り合いの子どもと養子縁組して、私も子育て支援、現金支給してもらおうじゃないの。当然、そこを狙う犯罪グループも出てくるだろう。
子どもは社会が育てるものなら、なぜ早急に保育園を造らないのか。5年かけて設けるなんて、いま必要なお母さんはどうすればいいのだろう。2万6千円では、ベビーシッターだって雇えない。 私が総理だったら、まずは東京都知事とともに、JRや東京メトロとタイアップして、都市部の駅中に簡単な保育所を作ることを考える。駅までだったら、子どもが病気になっても、お母さんは職場からすぐに飛んでいけるではないか。雇用促進にもなる。
誰でも考えられるこんな簡単なことを、なぜやらないのだろう。日本国家を貧乏にし、日本人の意欲をそぐための愚策としか思えない。それでもやるというのだから、選挙対策のばら撒きとしか考えられないではないか。 次の選挙は、民主党の愚策ともいえる子育て支援を争点に闘うべきだ。野党頑張れ!政権与党の政策のどこが愚かなのかを浮き彫りにして、日本の将来につながる、意味のある子育て支援を提示できる政党にこそ、私たちの清き一票は投じられるべきである。
桜文様のスカート
青山墓地の桜の向こうは・・・
ベランダに楓の花が・・・
アメリカから帰国してみると、楓の蕾が固くなっていた。次第に芽吹き始め、ついには昨日、赤い花を発見。なんだか子どもを育てている気分。
楓の花については、季語を調べるうちに知った。一体、どんな花なのかと思っていたら、自分のマンションのベランダで、その存在を確認できたのである。
「和」にこだわって、床の間もどきの棚を造り、白いローマンシェイドで障子風にし、坪庭のごとく石庭が見えるようにしようと考えたのは数年前。小石を敷き詰めただけでは寂しいので、大きなプランターに竹も植えてみたのだが、陽が十分に当たらないのと、私が出張がちなことが祟って、ついに枯らしてしまった。
以来、竹を捜し歩いていたのだが、今年の初め、ようやく竹とともに楓を植える運びとなったのである。
ところが、その時期の楓は葉をつけることもなく、ただ枝ぶりに風情があっただけ。果たしてどうなることやらと思っていたら、
3月からいきなり芽吹き始めたというわけだ。 若葉には産毛があって、なんともいとおしい。おまけに、赤い花を自分の目で確かめることができたのは、大きな収穫であった。
この写真は近々新しくするでご紹介したいと思う。現在、自分でアップできるように練習中。