祇園牛頭天王に会いに、源鳳院へ 母の訪問着幾何学文で

岡崎の源鳳院さんで開かれた「逝きし世の祇園祭の神々」を観に。

山科伯爵邸 源鳳院にて、築百年を記念しての展覧会。祇園社旧神官家の末裔が収集された「祇園牛頭天王」の神像、明治以前の祇園祭の神々の図像や、江戸時代の祇園社を描いた屏風図を眺めつつ、古き世の祇園信仰を感じて帰ってきました。

八坂神社は明治までは祇園社感心院。祀られていたのは牛頭天王でした。素戔嗚尊と同一視されてからの歴史は深いのですが、牛頭天王は明治政府に敵視されて、表舞台からは姿を消しました。

祇園牛頭天王は私の守護神かもしれぬ、と勝手に思い込み、いま最大の関心事は、牛頭天王さまなのです。

この日の着物は母の形見。帯は市松、さりげなく丹次郎モード。

 

葵文に稲穂文の帯で、上賀茂神社新嘗祭、そして伊東久重さんの御所人形を観に

洛北の上賀茂神社は、青も深紅も、散り始めた葉も・・・。しかし、気温はとても暖かな七五三日和でした。新嘗祭には、葵紋の辻が花に、稲穂の帯を締めて参列。

のち、虎屋ギャラリーで開かれていた伊東久重さんの個展へ。オリンピックを意識したお人形が5体。かいらしくてかいらしくて、これを見ていたら、何があっても五輪が開かれることを祈りたくなりました。

大樋焼カラーの帯で、当代・年雄さんに会いに

大樋焼当代の個展@高島屋へ。年ちゃんこと、大樋年雄さんとは17年ほどのお付き合い。俳句がきっかけでした。

若いときから、おしゃれで、こだわりがあって、筋が通っていて、どこを切り取っても、かっこいい男子。知識が豊富で、巨視的複眼的に物を見るのが魅力。今回も、刺激をいっぱい受けて、帰ってきました。

小紋にあわせた帯は大樋焼を意識して、この色。奄美大島のハイビスカスで染めているんです。帯締めは、炭次郎カラーで。

「鬼滅の刃」的、市松尽くし

北野天満宮を訪れたら、巫女さんの稽古に遭遇。この日の私は、市松尽くし。鬼滅の刃、炭次郎コーデです。帯は螺鈿の市松、帯締めは、炭次郎カラー。実は着物も。細かい市松は「微塵格子」と呼ぶのです。

流行りものは嫌いな私ですが、「鬼滅の刃」だけは別。カッコいい大人がいない現在の日本では、炭次郎たちの生きざまが子どもたちのモデル。修身の教科書よりも、左翼言論人の政府批判よりも、ずっと説得力があるのです。

連載コラム「アキオとアキコの京都女磨き」が始まりました

本日、11月15日より、連載が始まりました。漫画家・東村アキコさんがイラストを描いてくださいます。題して、アキオとアキコの京都女磨き。講談社現代ビジネスFRaU公式ウェブサイトで、公開されています。ぜひ読んでくださいね。記念すべき今日は、前後編、一挙公開です!

前編

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77335

後編

 

 

鼻緒は「鬼滅の刃」禰豆子の市松?

お呼ばれした還暦の茶事に履いた草履。鼻緒が市松なので、もしかして、「鬼滅の刃」竈門禰豆子の帯も、こんな色だった? と思ったのだが、禰豆子は赤白の市松だった。

京都では、これを履いていると一目おかれる「ぎおん内藤さん」から、私は白い草履を2足購入しています。1足は1年履き続けたので、雨模様や神社仏閣の玉砂利の上も履く分。もう1足は、晴天で草履を脱ぐお席に伺うとき。写真は後者。お茶事のあと、帰り際に、玄関で撮影させていただきました。

脱いだとき、きれいでないと失礼なので、普段は履かずに箱にしまっています。NHK総合の夜帯「ナイトジャーナル」にキャスターとして出演していたときも、スタジオ用のパンプスは外では履かずに、何色も、ロッカーに置いていました。

九州の隠れ宮へ 龍の帯を締めて

かつてエンジン01のオープンカレッジが延岡で開催された折、高千穂を訪れているのだが、ある人には、こう忠告されていた。大勢の人々が押し寄せて荒らされ、高千穂は既に祓いの力は弱まっている。さらに奥にある、日の宮への参拝を勧める、と。

あれから5年、ようやく実現した。本州の人間にとっては、果てしなく遠い場所である。なのに、この日も訪れる人は少なくなく、勧められた5年前より気が乱れつつあるかもしれない。しかし、古代からの神々にご挨拶できたことが嬉しい。感謝を伝えられたことで幸せな気持ちになった。

買ってから、ずっと眠っていた龍と宝尽くしの帯を締めてみた。暑くて暑くて着物は単衣。

母のお召しで、未生流笹岡京都支部展、其中庵にて研究会、「月を愛で、月とあそぶ」@梅田阪急

華道未生流笹岡お家元と。私は撮影の瞬間だけマスクをはずしております。

この季節に、東山の青蓮院にて未生流笹岡社中の京都支部展示があり、同時にホテルにて家元を囲む会が開かれます。例年なら、会でご一緒した女将さんたちと青蓮院に向かうところですが、コロナ禍の今年は囲む会が中止。一人で作品の展示を拝見させていただきました。

なにせ、この日は予定がパツンパツンに詰まっていたのであります。まずは福王子神社近くの其中庵にて研究会。東から西へ。一人タク安くないので東西線で太秦天神川へ。そこからタクシーで北上。すばらしい茶道具の数々にため息。

続いて大阪へ。烏丸から阪急に乗って梅田阪急に向かい、7階のコトコトスクエアを目指したのであります。写真の2つの黄色い椅子、お月さまなんですよ。「月を愛で、月とあそぶ」というコンセプトで、作家による作品を展示。器や小物を用いたコーディネートの数々に目移りします。さすが14th MOONのプロデュース! 最後の写真、私の映っている鏡にはウサギが2兎。毎年の月見仕様にくわえ、再来年の干支に備えて買ってしまうかも。遊び心満載の作品は眺めているだけでも楽しくて、あれもこれも欲しくなるのですが、すぐに決められないのが難。開催日あとわずか、6日までですので、ぜひ。

追伸:着物は母のお召し(単衣)。夜空に浮かぶ月に見立てて選びました。帯は綴れ。20代のころに締めていました。真ん中の黄色が月に連動しているつもり。