毎年、5月15日の葵祭を前に、12日、重要な神事が斎行される。新しい生命の息吹を受けて、神さまが若返ると言えばいいだろうか。新たに下ろした荒魂を、本社の和魂と合体させることで、霊力をより新しく強いものにするという考えのようだ。「御生」 「御荒」 「御顕」 「産霊」 。ミアレの思想は、平安時代に信仰されていた。源氏物語にも、「みあれ詣で」が登場する。
この日、朝から夕方にかけて下鴨神社の御蔭 (ミカゲ) 祭が、夜、上賀茂神社では御阿礼 (ミアレ) 神事が斎行される。
下鴨神社の御蔭祭は、朝、神幸列が下賀茂神社を出発し、比叡山山麓、八瀬の御蔭神社じへ。そこで神霊を神馬に遷して、下鴨神社の本殿に迎える。途中トラック移動も入るのだが、糺の森からは神幸列。切芝で、荒魂を載せた神馬に、舞人が東游(あずまあそ)びを奉納し、その後、本殿にお遷り頂く。
上賀茂神社は、20時に社務所を出発。神職と麗人が神山の麓にあたる御生所に向かい、密かに行われる。外部の人間が目の当たりにすることは不可能である。
下の写真は、数年前、八瀬を出発した下鴨神社のご神幸列。