「重陽の節句」なのに、菊の気配がない東京

9月9日は「重陽の節句」。久々東京で過ごしたが、無いの、無いの、菊の気配がどこにも無いの。

いやあ、日本の伝統文化を消し去った明治政府の罪は重い。

できれば、菊のきもの(写真参照、生紬の小紋、帯は祖母の形見)を着て重陽神事に参列したかった。唯一東京大神宮では例年、菊酒がふるまわれるようだが、コロナで中止。これは仕方ない。だが、花屋には小菊しかないし、高級スーパーにも食用菊がない。日本酒に浮かべるつもりが、これも断念。この日限定虎屋のお菓子は栗モチーフだし。なんなの、東京の味気ない日常は。

9月9日の重陽の節句は、奇数(=陽数)が重なるから、注意しようという日。陽はポジティブだが、強すぎるのも善し悪しという意味と解釈している。3月3日、5月5日などとならんで、江戸時代までは奇数が重なる日を五節句とし、神事が斎行された。宮中では、前日から菊の露をしみこませた綿で躰をふいたり、菊の花を生けたり、菊を入れたお酒を飲んで、厄払いをしたのである。中国由来の菊には不老長寿の力があると信じられ、結果、この日は菊の節句とも呼ばれる。虎屋が栗のお菓子なのは、一般庶民の間では五穀豊穣に感謝して栗を食す習慣もあったからである。

京都では、いくつかの寺社で菊酒がふるまわれる。私は例年、上賀茂神社の重陽神事に参列し、烏相撲を拝見。八咫烏の帯を締めて、出向くのが常である。

八咫烏の帯にあわせているのは、母の形見で、実は羽尺だった。帯9月に向日葵の羽織は暑くて無理なので、帯ががくるあたりに黒い布を入れて、着物に仕立てたもの。アバンギャルドな向日葵文は、菊のお仲間と解釈して、この日に着ている。しかしながら、着物でも単衣はまだ暑い。

で、誂えたのが、菊の着物(写真)。帯として売っていたのを見て、着尺に染めていただきました。生紬なので透けません。単衣扱いで許されると信じて、重陽の節句用に誂えたというわけです。写真の祖母の帯は透け感があるので、このころまで。9月半ば以降のお茶会には、若冲の雉の帯か、ハイビスカスで染めた、くし織を考えています。

 

 

 

京都でお勧めのルーフトップバーは、ホテル青龍

1か月前のプレ誕生日会。ホテル青龍のルーフトップバーにて。清水寺近くの小学校をホテルにした試みが、果たして成功するかどうかは、もう少し様子見、というのが京都人の目線です。

先月、別の写真をアップしていたので、いまごろのご報告。太陽の陽射しが強いと暑いだけだが、夕暮れから飲み始め、夜に月星を愛でるのがお勧め。

鳩との闘い

 東京滞在で最大の収穫は、鳩除けネットを取り付けたこと。霧が晴れたように、急に気持ちが軽くなった。鳩の存在、どんだけストレスだったか。これで、安心して洗濯物が干せるーーなんという幸せ。
 鳩が可愛いなんて思っている貴女、それは大きな間違い。鳩の糞被害は甚大です。人間の脳がやられます。肺もやられます。敵はコロナだけではない。私は鳩の糞で死にたくない!
 自分でできること、あの手この手でトライしたけれど、鳩の図太さには勝てません。最近、階下の2軒がネットを取り付け、7階の我家がますますターゲットに。よって、プロにおすがりした次第。どうやら屋上は、全体が鳩の糞でかたまっているらしい。
 鳩は1年に6回以上、卵を2個ずつ産みます。近所の鳩被害、この2年で劇的に増えました。高輪の高級マンション24階も、室外機の糞被害に悩んでいるとか。そんな上空まで支配している鳩、このままだと、5年後にはヒッチコック映画の世界になるかも。ああ、あな、おそろし。
 現行では、巣を動かした人間が法律で罰せられるのです。しかし、保護している場合ではありません。バッタの次は鳥の大群。行政はいまから対策を講じないと、恐ろしい近未来が待っています。
【写真】鳩がベランダに入ろうとしてネットに爪を立てているの図。青空や白い雲が格子になるのは面白くないが、しかし鳩から解放された幸せを思えば、我慢我慢。

吉兆さんの、アイスの実@ファミマ

暑い暑い初秋に、車の中で吉兆さんを味わえる幸せ・・・。
初体験はカボチャ。そして、同じ日にコーン。本来の自然の甘さが口の中に広がって、上品な味わい。翌日、家の中で食した紫芋はもう少し甘い。徳岡さんのお顔を思い浮かべつつ・・・
私の一押しはカボチャですね。

アメリカ共和党大会

水曜日夜に帰洛。今週は月曜日と水曜日に、京都の会議に東京からリモート参加。結果、会場の声が聴きとれず、気持ちが入りません。全員等分割の画面にしないと、リモート会議は難しいと感じました。
水曜日の会議は早々に終わったので、アメリカ共和党大会の中継、メラニア夫人のスピーチに間に合いました。彼女の移民である体験、国民に寄り添った内容で、よかったですね。リベラルのCNNも褒めていたくらいですから。
が、昨日からはCNNは激しい攻撃にまわっています。会場に人を入れて密だのマスク無しだの、感染拡大を防止していないと非難轟轟。今日はホワイトハウスの庭に人を入れています。これで、クラスター起こしたら、どうなるのか。ハラハラドキドキ。このギャンブル感も、トランプっぽい。
あ、娘のスピーチが始まりました。

ZOOMテスト

リモート参加に抵抗があり、会議にはできるだけ身を運んで出席してきた私。が、ついにズームに頼らざるを得なくなり、スタバでテストしてもらった。老化が進みキャッチライトが必要かもと心配したが、相手に画面を写メしてもらったら、こんな感じ。レッツノートのカメラがエライのか、スタバのライティングがスゴイのか。ちゃんとメークしなくても、どうにかなりそう・・・と考えるのは、あまいかな。

追伸1:遠近両用メガネをかけたパタンを、2枚めに。ブルーライトカットレンズが青く写りますね

追伸2:象牙でできた紙垂のイヤリング

五山の送り火2020 

五山の送り火ーー。今年は、マンションのベランダから、大文字に手を合わせました。ご先祖様に感謝しつつ。
火床は少ないけれど、明るい炎だったような。保存会の方々の思いが強くこめられていたのでしょうね。例年のように75か所の火が点くと、我家からは大がKに見えてしまうのですが、素朴な6か所の炎がむしろ愛おしく感じられました。
あ、母の上布に祖母の帯を締めて送ったのだけれど、エアコンあっても、暑くて暑くて。今年は送り火終わっても、秋にならない気がします。

2020年8月 友、江戸より来る、アマン京都でランチ、葦文の着物で

東京のホテルで食事をするならアマンと決めている私。なのに、昨秋にオープンしたアマン京都は未踏のまま。ゆえに、江戸暮らしの久美子さん来洛の折、ランチをご一緒いただきました。

期待を裏切らない空間。食事のコンセプトも、少しずつ工夫がこらしてあって、大満足でした。

例によって和でも洋でも服がシンクロする私たち。お盆で母が戻ってきているはずなので、母の形見を着ようかとも思ったのですが、かわの屋さんで購入したまま袖を通していなかった絽の着物を選びました。葦がカラフルに描かれています。帯は、結納のために母が選んでくれた絽つづれ。帯どめはラリマーです。

外で撮影した2ショットは、久美子さんの了解を得てから追加掲載しますね。

 

祇園祭2020 宵山のお茶会、後祭、御旅所

祇園祭がテーマのお茶会@桂へ。帯は駒形提灯。京都では、襦袢を着れば、浴衣でもお茶会に行くことが許されるのです。もちろん、白足袋を履いて。趣向は祇園祭にまつわることいろいろ。

玄関に、大船鉾の粽を発見(昨年のもの)。のち、一部屏風を見せている町屋があるので、後祭の新町通りへ。今年は関係者だけで粛々と龍を祀っている大船鉾の外で撮影。北上して、北観音山、そして御旅所で神籬に手を合わせました。

 

祇園祭2020 神さまが氏子地域をめぐる「神霊渡御祭」

担ぎ手の密を避けるために、神輿が出ない祇園祭2020.宮本組と神職によって、神さまが氏子地域25学区をめぐってくれました。有難き事。

かくいう私も氏子地域で暮らしている。この日にまわるとは聞いていが、コースも時刻も非公開。公にすれば密になるという論理は理解できる。が、近くを通ったら手を合わせたいのが氏子の心情。でも、いつなのか、タイミングがわからない。ようやく入手した情報だと、21日で、うちの学区は4番目に書かれている。ならば暗くなってかもと家にいたら、ドーンと太鼓の音が。あれ、もう、いらしたの? 外に飛び出したときには時すでに遅し。実は高倉通を進んでいたのに東洞院通に出たのが仇になり、探しても探してもみつからない。

で、御池通りの北を歩いていたら、背広を着た白髪の紳士に出会った。もしかして、神さまをお迎えするのですか? そうです、18時20分の予定なんですが。と言われた矢先、向こうからご一行が歩いてきた。予定より30分も早く。

そのときの様子です。神さまに手を合わせたいやら、撮影したいやら、忙しい私。いつもは、24日に東洞院通をお神輿が北上していくので、それを待つ。御旅所に通って7日間、毎晩手を合わせるだけでなく、住まいの近くにいらしたお神輿に手を合わせるのがなんともうれしい。だって、神さまが鴨川を渡って、西の氏子地域をめぐってくださるのだから。