自宅から大文字が見えるんです。今年も一人静かにしんみりと故人を送り、ご先祖さまに感謝を捧げました。
送り火は、東山の大文字に始まり、西へ西へと点していきます(極楽浄土説)。大文字点火の後、北上して「妙法」を観るのも悪くないのですが、昨年から点火の時差が10分から5分に縮まり、移動時間が勿体無い。途中、最上階の廊下からわずかに船形の炎が見えるのを確認し、結局、今年も自室から眺めつつ、静かに手を合わせた私です。
京都には感謝の入り口がたくさんあるんです。とりわけ、人々のご先祖意識が高まる五山の送り火は大切な行事です。でも、それを継続することがどれほど大変か。保存会や関係者に、改めて感謝します。
午前中は、妙心寺で塔婆を書いてもらって(戒名について従弟から連絡がないので俗名で)鐘を撞き、母方の祖父母と叔父を送りました。昨年、一昨年は妙心寺でお迎えもできたのですが、今年は都合がつかず、送りだけさせてもらいました。私が生まれる一ヶ月前にこの世を去った祖父のために、祖母は熱心に名古屋から妙心寺に通っていました。京都にいる初孫の私としては、お盆のときだけでも、ご挨拶させてもらうことにしています。