明日は難民の日。
地中海の難民たち、ミャンマーからのロヒンギャについて、海外ニュースで報じられない日はない。次から次へとやってくるので、周辺諸国は手を焼いている。
ロヒンギャはムスリム(イスラーム教徒)なのだから、マレーシアやインドネシアで受け入れるのが摩擦は少ないはずだが、あまりに人数が増え、各国、頭を抱えている。拒否する国々があるのは、実はバングラディシュからの経済難民だという側面や、自国内の移民問題があるからだ。
オーストラリアが国外の島々で受け入れてもらってから難民認定された人々だけ受け入れていることで世界から非難を浴びているが、政府としては当然の判断だと思う。私が為政者でも、難民をむやみに自国の都市で受け入れるわけにはいかない。治安維持の側面からも明らかだ。税金を納めている市民の安全が、まず第一だ。他国からの難民を受け入れて社会全体が混乱すれば、本末転倒だ。
たとえばインドネシアは、80年代にベトナム難民を受け入れた島に、収容所施設を作っている。首都から離れた島を持つ国は、比較的受け入れやすい。当面は収容所施設の衛生面が改善されて命がつなげられれば良しとすべきなのである。施設の質向上のためには、日本と中国が資金援助すればいい。
それより深刻なのは、タイなどで起きていること。難民を引き受けるふりをして都会で高く売り飛ばし、奴隷同然の劣悪な条件で工場などで働かせている現実がある。そうした被害から守る意味でも、都会から隔離された収容所での自立支援がいい。間違っても、生活保護費を渡して都会の中に放ってはならない。
最後に、さらなる提案。地中海難民については、借金を棒引きにする代わりに、ギリシャに受け入れさせるのはどうだろう。ギリシャも島々を持っているからだ。ムスリムとクリスチャンで、島ごとに棲み分けをするのは必須条件。3年間限定。土地つきの収容所で農業に従事させ、自給自足で生きるようにする。語学学校と職業訓練校を作り、半年ごとの試験に合格した人だけを、移民としてEUが受け入れる。ひどい人は本国に送り返すというペナルティつきで。
悲劇的側面だけ強調されがちな、太平洋戦争時の日系人収容所のあり方は、実は理想的なコミュニティとしてヒントになるが、これはまた、改めて書く。すぐに知りたい人は、拙著『スウィング・ジャパン』ご高覧を。