どっちも疲れている。プレスセンターから中継された菅総理と小沢氏の二人が我々に与えた印象だ。
公務に追われる現職の総理大臣が忙しいのは理解できるが、疲れた表情を見せるその段階で、総理の資格があるかどうか疑問だ。思い返せば、小泉元総理までの自民党総裁は、疲れた表情は見せなかった。総理大臣の条件として最低限必要なのは、なにより生命力であると私は考えている。
他方、それを追い落とそうとする小沢氏が、総理に負けないくらい疲れているのもいかがなものか。日本全体がすかっと元気になるようなスローガンを提示する気概が必要だ。ご本人は口下手だとおっしゃるが、政治家を志した段階で、プレゼンテーションの訓練は受けておくべきである。それが無理なら、せめて国民の心をつかむ言葉を用意する努力が求められる。
本当に必要なのは景気対策なのに、とタクシー運転手が語っていた。次期総裁の第一命題は、日本を元気にすることにある。心理的にも政策的にも、である。
アメリカ大統領選の取材を重ねた私としては、歯がゆい、の一言につきる。
追伸:英国のサッチャー女史も首相になるにあたり、クイーンズイングリッシュの訓練を 徹底的に受けたという。米国では大統領候補になる段階で徹底的にスピーチの訓練を受ける。人を説得する「語り」がリーダーの条件のひとつであることは、欧米も日本も同じだと思うのだが。