丸の内散策

昨日は丸の内界隈を散策。次回作に登場する占領期の日本郵船ビルと日本工業倶楽部を描写するためだ。昭和期にトランスするのだから、和服がいい。句会で着るはずだった、初お目見えの木蓮文の着物を選んだ。といっても、アンティーク着物で、その詳細についてはcollection→ kimonoへ。

写真に撮ってもらったのは、明治生命ビルの前。ここも接収されて、対日理事会(Allied Council for Japan)が置かれていた。この建物は重要無形文化財に指定されている。

本来、金曜日に次回作の初校があがってくるはずだったが間に合わず、2日に延びてしまった。描写は校正で直すつもりだったので、好天につられて、夕方から散策モードに入ったのである。

夜は新丸ビルの7階で食事。「丸の内ハウス」には初めて足を踏み入れたのだが、洗練されたカフェテリアと呼べばいいのだろうか。大人女子、大人男子をターゲットにした、手軽な料理が多いという印象である。さすがにここは東京で、アメリカやアジアのショッピングセンター上階のレストラン街よりはソフィスティケートされているのだが、でも、落ち着きがないのが気になった。私の年齢層はターゲットでない、というだけでは片付けられない何かに、少し違和感を覚えた。

ウェブサイトで見ると、街のゲストハウスがコンセプトなのだという。テラスの部分が使えて、軽い宴会でも開ければ、そうとも言えるのかもしれないが。夜明けまで開いているのも特徴らしい。そう、かつてディスコが持っていた何かを担っている感じもある。トイレに入ったときに、そう思った。

私が入ったSO TIRED という店でソフトシェルクラブが食せたことは、特筆すべきだろう。リピートさせる魅力はある。さらに、カラマリフリット(いかリング揚)とかワカモレ(メキシカンのアボカド料理)があると、もっとエクスクルーシブになるのに。いや、一応タイワニーズだから、それは無理な注文だ。

これだけ美しい電飾の摩天楼を眺められるのに、全体的にはNYの持つ洗練度には追いついていない。もうひと工夫で、その大人感が出せるような気がするのに、子どもっぽいのが気になる。それも含めて、いまの日本を表しているのかもしれないのだが。