子どものいない私が言うのも生意気だが、親の最大の使命は、親がいつ死んでも、残った子どもたちが自立して生きていけるよう、日ごろから教えることにあると私は常々考えている。
今朝、NHKのニュースを見ていて、胸が熱くなった。障害を持つ子どもの母親が、震災を機に意識を変えたというレポートだ。避難所に行ったときにパニックにならないように簡易テントを買って日ごろから慣らすとか、いざという時に自分の足で逃げられるようベビーカーに乗せる時間を減らして歩かせるようにしているとか、自分亡き後、娘の道しるべになってもらえるよう地域の障害者を持つ親との絆を深めているとか、である。少々のことでは自分は死なないと思ってきたが、自然災害を前にしたら、そうは言い切れないと悟った。だとしたら、我が子はどうやって生きていくのか。最悪の事態をシミュレーションし始めたというわけだ。
放射能に過剰反応していると世の母親を非難する男たちがいるが、父性と女性の違いではないかとつくづく思う。学校にクレームをつけたがるモンスターママは異常だが、子どもの将来を見据えて、放射能汚染から守りたいと思うのは母性本能が正常な証拠だ。
日本中の人々が、311以降、多くを学んで賢くなっている。まずは自然への畏怖の念を抱き、謙虚になることが一番だ。そうすれば、自ずと子どもを守る方法もみつかるというものである。