1945年8月15日、玉音放送で終戦が告げられた日、東京は晴天だったという。青空を見ながら、新しい時代が始まる、と心躍らせた子どもたちは多い。少なくとも、表参道界隈で空襲を経験した人たちは、私のインタビューにそう答えている。
そして66年後の昨日も、東京は晴れ渡り、炎暑の一日となった。
全国戦没者追悼式が、今年も日本武道館で開かれた。遺族ら6100人が集う。だが、「節電のため冷房を弱めて、氷柱を会場のあちこちに立てて・・・」というニュースレポートに、耳を疑った。
ほとんどが高齢者の式典に、なぜ節電? たった数時間のことじゃなの。東北電力に譲る電力があるじゃないの。オフィスはお盆休みで、子どもたちも東京から離れて、電力あるのに。フジテレビのお台場共和国に比べたら、微々たる電力消費ではないか。この老体に鞭打つ決定は、誰の判断だろう。
主催はもちろん日本政府。きっと、節電努力をしたことを心から誇りに思っているに違いない。結果、老体に鞭打つことになるなどとは微塵も発想していないのだろう。あるいは、故意にそれを選択したとすれば、この政権の罪ははてしなく重い。