宮脇昭先生の「緑の堤防」構想について、もう少し補足したい。
先生によれば、海岸沿いに森を作る際、瓦礫を入れて盛り土を作ることが可能なのだという。瓦礫さえも土の中で自然に帰るというのである。実際ドイツでは世界大戦のときの戦車を土の中にいれて植樹された森が存在するのだそうだ。
報道は原発と被災者に集中しているが、実際、現地では産廃業者が多く入り、それ自体、ビジネスとして激しい競争が展開されているという。さらには、復興景気を狙って、ゼネコンを中心とした業者が乗り入れ始めていることは想像に難くない。
宮脇先生の植樹構想は、経費がかからないのである。裏を返せば、どの業者も儲からない。だから、盛り上がらないのが実情だ。
経済復興も大切だが、瓦礫さえも呑み込んで森を作るという、未来型の発想に「はじめの一歩」を踏み出すことのほうが、国際社会で尊敬されるメッセージであるにもかかわらず、その一歩が踏み出せない日本政府が情けない。