今週は毎晩、会食モード。外出を控えると気がめいるので、積極的に人に会ってきた。思考回路が活性化して、元気になる。そういう友人を持てたことが、ありがたい。その中の一人が言う。
「この前、秋尾さんが言っていたあの話、タクシーに乗るたび運転手さんに話すと、大うけですよ」
「あの話」とは、東京電力では役員になったら必ず、家族と両親を原発の近くに住まわせることを義務付けておくべきだったという私の考えである。家族が人質なら、真剣に危機管理に知恵を絞る。もちろん、ほかの電力会社にも当てはまる。
危機管理という言葉は、東京電力にも原子力安全委員会にも存在しなかったのではないか。安全、安全と自己暗示にかけて詐欺師と同じメンタリティになっていたとしか思えない。
水位が下がっていることを危ぶむ声は反対派から出ていたという。なのに、それを放置していた経営者の責任は大きい。
そもそも米軍並みの防護服がなぜ存在しないのか。一度に100着そろえればコストがかかるが、1年に10枚ずつなら、10年で十分な数が購入できていたはずだ。下請け企業の人であっても、その防護服を着用させれば、被爆という事故にはならずに済んだのではないだろうか。
福島においては、このまま放水による冷却を続けるしかないという。また大きな地震が来たら、どうすればいいのか。こうなると、日本国民が全員、人質にとられたようなものだ。
せめて周囲をセメントか鉛で巨大な煙突を作るような形で覆うような方法はとれないだろうか。飲み水だけなら我慢ができるが、水道水で食器も洗えないとなれば、ノイローゼになりそうだ。