危機管理意識の温度差

午前中は文部科学省の会議だった。開始時刻までの間、しばし地震について話す。意見交換できると視野が広がり、地震以来のストレスから解放される。 

日本赤十字社には登録スタッフが2万7千人ほどいるのだという。医療従事者など即戦力になる人々ばかりだが、この段階では、そういった人々が現地に送られる。復興の段階になると、被害の大きさに応じて、私たちの寄付金の配布が有識者も加えた委員会によって決まるのだという。

 阪神大震災を経験した日本政府が、日赤のそうしたシステムを学んでいなかったこと自体、「想定外」だ。もっとも、原子炉を持つ東京電力は防護服を常備していないのだから、この国では危機管理意識が大幅に欠如しているのかもしれない、生活者を除いては。

 次は東京が震源地かもしれないと、都民が米やトイレットペーパー、ガソリンを買い急いだのは、そうした日本政府を信用できないからだ。200年に一度の災害のための予算は必要ないと言い放った蓮舫議員が国民に何を呼びかけても説得力はない。自分のことは自分で守るしかない――。そう思わせたのは、非常事態でも自己のパフォーマンスしか考えない菅内閣の閣僚たちなのだから。