チュニジア市民がついに独裁者を追い詰めた。先週、アルジェリアで先週起きた暴動は沈静化されたというのに、チュニジアは独裁者を国外逃亡させるところまで追い込めた。アフリカにおけるフランスの元植民地がこのところ揺れている。
一般に、デモが組織化されて暴動に発展するとき、裏で誰かがその糸を引いているものだ。ただ、逃亡したアリ大統領は、マルコスやスハルト同様、家族によるネポティズム、それに言論弾圧が相当にひどかったようだ。倒されて当たり前の独裁ぶりに同上の余地はない。
背後で資金提供しているのが誰かにも興味はあるが、注目すべきは、今回はTWITTERがデモ情報を広げたことだ。そこにウィキリークスの暴露も加わり、人々の怒りに火をつけた模様。ここを見抜けなかったところに、アリ政権の甘さがある。
ドイツのニュースを見ていたら、ルフトハンザはチュニジア行きのフライトをキャンセル。現地から逃げ出す人々のみ乗せて帰るのだと報じていた。
1998年、スハルト政権が倒れる直前にジャカルタが炎上し、日本からあわてて駆けつけた自分を思い出す。邦人救出のために飛んだJALの飛行機に乗っていたのは、JALの職委員以外、乗客はたった3人。ビジネスの席が空いているのだから、せめて3人くらい座らせてくれても良さそうなもの。インドネシアの友人から電話で情勢を聞いてすぐに成田に飛んだので、エコノミーの正規料金を払った私としては、JALの融通のきかなさに、がっかりしたものだ。もちろん、ミールはエコノミーでいいのだけど、シートくらい提供してもいいではないか。炎上するジャカルタに向かうのは、ただ事ではないのだから。