東京の空には赤い月が浮かび、降り立った京都駅には雪が舞っていました。
一晩降り続けた幾ひらもの雪は京都の町を白銀に染め、しかし、転倒のトラウマから、カメラ片手に雪道を歩きまわる勇気もない私は午前中、部屋の中でぬくぬくと仕事をしていたのです。
静寂の中、部屋から雪が降りしきる様子を眺めていると、やはり地球は寒冷期に向かっている、私たちは自然の中で生かされていると感じます。改めて、暖をとる住処のあることに感謝。松飾りをはずしながら、謙虚な気持ちで小正月を過ごしたのでした。
石川九楊塾東京教室の書初めで筆を持ち、その後、麻布十番の歯医者へ。
ウルトラライトダウンを纏っていたのですが、あまりの寒さに、麻布十番商店街でダウンを衝動買い。昨夏知った豚モチーフの日本ブランド。セールで30%オフといわれて、つい。
オレンジ色の月が気になりつつ、浜松から徐行運転という新幹線に品川から乗り込みました。座席は空いていたものの、寒くて寒くて、2枚のダウンで大正解。グリーン車ではないので、毛布はないのです。
たどりついた深夜の京都駅には、雪が舞い、静寂そのもの。いつも並んでいるタクシーはゼロ。MKタクシーの事務所まで出向き、乗車したのです。スーツケースを持っていたので、助かりました。
「えべっさん」といえば京都ゑびす神社。西宮・大阪今宮神社と並んで日本三大ゑびすのひとつ。約800年前、祇園の建仁寺建立にあたり、その鎮守として最初に建てられました。8日から賑わいますが、私が訪れたのはもちろんど真ん中の10日。十日ゑびす大祭です。
最初に頂いた福笹は葉っぱが少なくてしょぼかったので交渉したところ、大きく立派なのが授けられました。鯛や宝船や小槌や蔵など、縁起物のオーナメントをつけてもらうのですが、頂いた笹が立派すぎたので、アイテムがどんどん増えてしまい、重いのなんのって。笑っていますが、実はバランスとるのに苦労しているんです。
参拝には、できれば笹の着物が理想だけれど、葉っぱつながりということで、この着物を選びました。すそ回しの青と、襦袢の紫がお気に入り。最初の写真で確認してみてくださいね。もち花が描かれた帯には、福笹と同じ赤い鯛がいます。
帰りは、「ない藤」さんの店出しへ。普段はとても手が出ない高級な草履を爆買いしてしまった私です。はきやすいことはもちろん、色使いがとっても大胆で素敵なんです。草履は午前中におろさないといけないのだとか。後から、写真の追加をしますね。
そういえば東京では、べったら市に通っていました。日本橋の宝田恵比寿神社。江戸時代、10月20日に恵比寿講が開かれ、その前に野菜などが売られたことの名残らしい。量り売りで買ったべったら漬けを麻縄に下げて帰るのですが、地下鉄の中では匂いに気を使ったものです。
1月7日は人日の節句。貴船神社の神事に参列しました。人日と呼ぶのは、古代中国において、1月7日は人の吉凶を占う日であったことから。邪気を祓うために七種の野菜が入った熱いお吸い物を食して無病息災を願った、といわれています。
例年は、上賀茂神社の神事に参列して、裏千家の初釜式に伺うのだけれど、今年は喪中でお休みだったため、1時間遅く始まる貴船神社に行ってみたのでした。
直会でおさがりの七草がゆを頂き、奥の院でお参りした後、上賀茂神社へ。白馬奉覧神事の続きで、神馬が境内を歩きます。ご尊顔を拝し、邪気を払いました。婦人会提供の七草がゆは大人気で売り切れ。皆さまのご厚意により、七草の一部を頂き、自宅で七草がゆ。若菜により充電。
叔母から譲り受けたお召しに、羽根&駒の帯。赤は鳥居を意識して、帯はお正月モードです。羽根は酉歳にちなんで。
実は、葵文も考えたのです。貴船神社は、上賀茂神社の摂社であるため、神紋が二葉葵なのですよ。でも、お正月ですから。
陰陽道の取材で、福井まで。
外国人が着物で京都を歩く姿は珍しくないのですが、ベールを纏った人々を見ると、気になります。インドネシアかマレーシアか、国籍を訊いてみたくなるのです。
で、声をかけました。インドネシア語で(マレー語もほぼ同じ)。そうしたら、ジャカルタから来た親子だったのです。私と写真を撮った女性は広島に留学中。ご両親と弟を呼び寄せたみたい。メガワティ(第5代大統領)の評伝を書いたと名乗るべきか迷ったあげく、秘密にしておきました。でも、ラインを教えて、と言われ、フットワークの軽さに感動。万国共通、若者のツールですね。
京都では、お正月に初能が観られます。この写真は1月3日、八坂神社で初能を観た後の出来事。陽ざしが急に強くなって、わ、顔うつりにマイナスだー。
外国人が着物で京都を歩く姿は珍しくないのですが、ベールを纏った人々を見ると、気になります。インドネシアかマレーシアか、国籍を訊いてみたくなるのです。
で、声をかけました。インドネシア語で(マレー語もほぼ同じ)。そうしたら、ジャカルタから来た親子だったのです。私と写真を撮った女性は広島に留学中。ご両親と弟を呼び寄せたみたい。メガワティ(第5代大統領)の評伝を書いたと名乗るべきか迷ったあげく、秘密にしておきました。でも、ラインを教えて、と言われ、フットワークの軽さに感動。万国共通、若者のツールですね。
1月3日には、八坂神社で初能があり、観に行った帰りの出来事。陽ざしが急に強くなって、顔うつりにマイナスだわあ。
着物はお正月恒例、羽子板文の着物に松竹梅の帯。