晴れてうれしいオークスの日
25日の日曜日はオークスにでかけた。JRAのご招待で、熟女集団が馬主席で美しい馬にみとれつつ賭けるのである。
新宿西口で集合し、貸し切りバスで府中競馬場に連れて行ってもらう。目的地は私たちの世代はユーミンの「中央フリーウェイ」でおなじみの「右に見える競馬場」である。ちなみに「左はビール工場」のビール工場には、サントリーに入社が決まった12月、研修をかねて工場にでかけている。
私はサントリーに入社するまで、ビールが大嫌いだった。小学校5年生のときに社会科見学でアサヒビールの工場にでかけ、死ぬほど臭くて強いホップのにおいに、頭が痛くなったのだ。以来、父が食卓でビールを飲んでいるだけで、ホップの匂いが私の鼻を直撃し、不快になったものだ。
しかし、サントリーに入社した以上、ビールは宴会のイニシエーションみたいなものだ。恐る恐る工場に出かけたのだが、行ってみて驚いた。工場内でホップの不快な匂いはほとんど感じられないし、出来立てのビールの美味しいこと!11年も経てばブリワリーの技術が進んだのか、それともサントリーが特別だったのか。おかげで今でも私はビール党、お腹は大きくなるばかりである。
さて、オークスに話しを戻そう。昨年、エコノミストの紺谷典子さんにお誘いいただいて初デビューを飾った。木元教子さんと高木美也子さんもいらしていて「スパモニ」の女性コメンテーター勢ぞろいモードだった。他には神津カンナさんや山東明子さんなどがいらして、馬を見ながら紺谷さんに小泉政権の経済政策が正しいかどうかを聞いていらした。
チケット売り場で柳瀬さんにお会いした。「フィネガンス・ウェイク」を翻訳されたばかりの柳瀬さんには「ナイトジャーナル」にご出演いただいた折にご縁ができた。『レーニン像を倒した女たち』の出版記念会にも来ていただいたが、お目にかかるのは実に久しぶり。版画家の山本容子さんも石川せりさんと一緒にいらしていて、みなで寿司屋に繰り出したのだった。
で、今年はというと、紺谷さんはお忙しく欠席。句会のメンバーから黛まどかさんと増田明美さんに声をかけたが、二人ともスペインと北海道でNG、姫野カオルコさんは欧州に行かれる前で、高見恭子さんも日曜日はベビーシッターの都合がつかず、結局、女性編集者を誘ってでかけた。
前日間で心配された雨にふられることなく、今年のオークスはスタートした。中村うさぎさんが競馬に強いホストを連れてきていたのが目立った。彼の賭け金は5万以上で、我々とは桁が違う。最終的にはどのくらい稼いだのか摩ったのか、ちゃんとは教えてもらえなかった。小林カツ代さんもいらしていた。最近はいろいろな会でよくお目にかかる。女優の富士真奈美さんと吉行和子さんがいらしていた。吉行さんがお召しになっているジャケットは鳥居ユキさんのものだ。それに高木美也子さんの姿が・・・。
「今年もまた変わったスカート穿いてんのね」
と例の大きな声で豪快に笑われた。
今年、私が穿いていたのは、ミラノで調達したモスキーノのピンク・ストライプのバルーンスカートだ。彼女が「また」と呼んだのは、昨年はイッセイ・ミヤケの赤いバルーンスカートだったからだ。これは何箇所もつまむ形の縫製で、どこに着ていっても、年配の女性たちが「面白いスカートね。どうやって作ったのかしら」と触りにやって来る代物である。
で、高木さんに帰り際、尋ねてみた。
「どうでした?」
「4万円!」
「え、4万円儲けたのですか?」
「違うわよ、摩ったのよ」。
ちょっと安心。私も1万円ほど摩ったので、落ち込んでいたからである。来週のダービーに賭けて今日の分を取り返せないかな。
家に戻って占いの本を見ると、「今年は浪費がちになり、ギャンブルに走る年」とある。まずい、まずい。日本のみならず自分も不景気なのに、すでに消費行動が例年になく激しい。賭け金は小額にしておかねば・・・。