ハロウィン狂想曲

東京のハロウィン異常な盛り上がりに、引いてしまう私は変でしょうか。

新橋からバスに乗って六本木の交差点を通過。渋滞のおかげで、じっくりと交差点の混雑具合を観察できた。いるわ、いるわ、仮装した人々・・・。

バスの中にいたコスプレ女子2組のうち、若くない組が大騒ぎ。「キャ-、いるいる。かわいい!」。彼女たちは、ようやくたどりついた六本木のバス停で下車。その後、隣にすわって話を聞きだしていた中年女性が老年男性に説明するには、「42歳と48歳ですって。あんな格好だから、20代と思ったわ」。いやあ、私は見抜いていたよ、無理している感じを。

アメリカと違って、日本のハロウィン、なんともいえず、どんくさい。なんでかなあ。お肌とかの問題じゃないの。コスプレ用のメーク半端だし。衣装も統一感ないし。極めていないというか、どうせなら、もっと徹底的にやってほしい。

もちろん真剣にコスプレやって拍手喝采したい人はけれど、全体的に、ゆるくゆるーく漂っている感じに違和感を覚えるのですよ。この空気、どこかで味わったことがあるような。たとえば、ワールドカップの後。サマーフェスに向かう人々。最近のコスプレブーム。女子会のはめはずし。そう。この10年で、こうした流れが日本、特に東京で加速度ついて、今日のハロウィン狂想曲ができあがった気がする。

私個人の最初のハロウィン体験は、80年代後半にLAにて。学生時代のホストファミリーの家に滞在しているときのこと。日没後は子供たちが変装して家々をまわり、キャンディをもらって帰る。かわいかった。で、大人は何をするの?とデパートの洋服売り場でお姉さんに尋ねたら、ディスコに誘われた。若い大人たちは、オレンジを1色身につけて、ディスコに繰り出すのだとか。ホストマザーには初対面の人についていくなんて、と叱られたのだが、いろいろ学習できて、よかった。

以来、ハロウィン当日、生放送で顔出しがあったときには、どこかにオレンジを身にまとっていた。わかる人にはわかるお洒落。

次はワシントンDC。ニューハーフの人たちのパレードとか、観にいったっけ。仮装のアイデアが面白かった。あっと言わせる一工夫があったのでした。

仮装は楽しい。どんどん挑戦したらいい。でもね、もう少し、探究心が欲しいのよね。いまや100円ショップで衣装は買えるんだから、鏡の前で創意工夫する根性が必要です!そういうところで極める癖をつけていると、その後の人生も変わると思うんだけどなあ。半端は駄目。いまの世の中、皆でゆるくゆるーく生きていると、しっぺがえしが来るよ、きっと。詐欺にだまされたり、自然災害が突然襲ってきたり。