お彼岸に日本の無事を祈る

「暑さ寒さも彼岸まで」とは、よく言ったもの。秋分の日の朝は、さすがに汗ばむことなく、さわやかに目覚めた。今日まで無事に生きれこられたことを、ご先祖さまに感謝。名古屋まで行けないので、せめて東京近郊にある両親のお墓参りに出かけることにした。

その前に、自宅の神棚の榊を買おうと青山墓地下の花屋を訪れたら、墓参の人々でごったがえしていた。かくも多くの人々が先祖供養をしているかと思うと嬉しくなる。私がこの花屋で榊を買うのは、ここの榊が特別だからである。青山墓地は明治政府が神道のために造った墓地。だから、お墓にお供えする榊がたくさん仕入れられ、質が違うのだ。

こうやって皆がご先祖さまに思いを馳せることで、日本が再び戦渦に巻き込まれないよう守ってもらえるといいなあ、と私は心底考えている。だが、他方、青山にはこんな光景もあった。

乃木坂駅の近くの青山公園。この小さな公園が日の丸で埋まっていたのは、右翼系の人々の集会が開かれていたからだ。いまにも中国と戦争をしそうな勢いである。しかし、この中のどれほどの人が知っているのだろう。その公園の向こうに米軍のヘリポートがあることを。

もしかすると、日米安保があるから、この場を選んだのだろうか。日本の右翼が親米だから米軍施設は歓迎なのか。しかし、本当に愛国なら、戦争を避けて、国土と日本人の命を守るのが筋ではないのか。戦争をした結果、待っているのは、日本民族の血が耐えることと国土の荒廃しかないことを、わかっているのだろうか。

対中国ということでは、日米関係は大切だ。しかし、日中が戦争をして本当に喜ぶのは、アメリカとイギリスであることを忘れてはならない。ロシアはもっとしたたかに漁夫の利を狙っている。