ルーマニアの女子大生殺害事件、インターンを斡旋した団体アイセックには説明責任がある。空港で迎えに出るはずのスタッフはどこにいたのか。女子大生が初めての土地を訪れるのに、なぜ深夜移動というスケジュールを組んだのか。空港では白タクに注意するよう助言をしなかったのか。彼女は深夜移動の不安をツイッターに訴えていた。
私が単身、ルーマニアに向ったころは、警察国家の名残で治安はよかった。あれから20年以上が経過し、治安の悪さは欧州の旧西側諸国並み。もともとルーマニアの人々はラテン系でフレンドリーだから、親切にされると人のいい日本人は、その好意にこたえようとしてしまう。そこが難しいところだ。
ひとり旅得意の私でさえ、夜に到着するときは、全身バリア状態だ。普通のタクシーに乗るときでさえ、警戒心丸出しだ。旅慣れている分、白タクを振り払うのだけは上手になった。断るときは、なぜか英語も流暢になる。
危ないのはルーマニアだけじゃない。もしも周囲に初めて単身で渡航する人がいたら、ぜひ伝えて。選べるなら夜到着のフライトは避けること、空港では寄って来る男たちは振り切ってタクシー・スタンドに並ぶこと、地方に行くときは1日でいいから大都市で滞在、事情を知ってから昼間移動にすること。
若い子には海外に行くよう薦める私であるが、現地の受け入れ先とは前もって直接やりとるするほうがいい。仲介の団体の斡旋を鵜呑みするのはリスクが高いことを付け加えておきたい。