ちょっとした受難

本当は昨日、新年の抱負を述べたいところだったが、神棚のレイアウトを直そうとして、元旦早々、尾てい骨を打った。痛くて、痛くて、途方にくれていると、そこへ地震が起きた。都内は震度4。暦の上では、まだ12月で、昨年3月と同じ星の並びである。やはり無事には済まされないらしい。

七福神めぐりをと考えていたが、とても七箇所も歩けそうにない。地元の氏神さまを参拝するのが精一杯だった。平地を歩くのも苦痛で、一歩一歩踏みしめつつ、かなりの高齢者を思わせる歩みとなった。さらなる問題は、境内の階段が登れないことだった。手すりをつかんでも駄目。体重をかけると、尾てい骨に響くのである。

起き上がるのが無理。しゃがむのも無理。軽い踏ん張りがすべて駄目。腰掛けているのも苦痛。原稿が書けないのだ。ひたすら安静にして直すしかないという友人の助言もある。

腰痛とだけは無縁だった私の人生が、これで狂い始めたということか。痛みさえとれれば、どうにか乗り切れると思うのだが、念のため病院で検査を受けるに越したことはない。

実は辰年の正月、若冲の龍を描いた帯を締め始めるつもりだったのだが、尾てい骨をやられては、とても結ぶことができない。これが一番の心残りである。