6月3日 ウィルスにご用心! そしてお詫び・・・

 ある日、突然PCが壊れた。画面が真っ黒になり、二度とデータが現れない。卒業式で大学のコンピューターセンターは機能していないし、誰に聞いたらよいものか。

 一番の問題は日本語が書けないことである。日記も書けない。原稿も書けない。メールも書けない。どうしよう。

 NY生活の長い友人にどうやって日本語の書けるPCを手に入れたのか聞いてみた。すると、思いがけない答が返ってきた。

「それ、ウィルスだよ。旦那もやられてさ。重要な文書を作っていてバックアップをとっていなかったから、真っ青になって、業者を探したのよ。それでデータを出してもらって。

大変だったよ。お金も高くついたと思う」

 なるほど。貴重な情報だが、彼が中国に出張中で、どこの業者でどうやって直したのかがわからないので、私はどうしたらいいのだろう。活字はともかく、私の場合は音のデータが保存できていないのだ。高くついてもいいからデータもとりだせるものなら取り出したい。それに、日本語をどうやって書くか。

「私のコンピュータは日本で買ってきたからねえ。アメリカのをどうやって日本語にするんのかなあ」

 ワシントン在住の日本人に聞いても、こんな調子なのである。メディアの支局は当然、業者を入れてメンテナンスを行っているし、故障すれば日本の本社から送ってもらうというわけだ。ウィルス被害など、誰も心当たりがない。

 日本語で書くことができないのは、実に不便である。急を要するため英語でメールを何通か書いたのだが、「ウィルスメールと思って危うく削除するところだった」と言われたり、

英語が解せないからローマ字で書いて送るよう言われたりで意思の疎通が難しい。結局、アパートから近いライシャワーセンターにお邪魔して、日本語を打たせていただいた。

こういう時に限って、急ぎの文書を求められるものだ。

 日本でPCに詳しく英語の解せる人々にメールを送り、ようやくXPなら日本語化が可能ということを知った。PCについては常に人を頼ってきた。こんなことまで知らなかったのだから、ほんとうに恥ずかしい。

 さて、次はいかに早く手に入れるかが問題だ。あと2ヶ月の滞在なのに、アメリカのPCを買うには抵抗があった。故障したときに、アメリカに持ってこないと保証書の意味がないからである。しかし、リースを探せば、ほとんどが企業相手だったり、ようやく個人リースに行き当たれば、クレジット履歴が必要とされ、円高にまかせて日本のクレジットカードを使ってきた私はあきらめるしかなかった。

 そこで手ごろな値段のものをネットで探してみると、ほとんどがWindows 98 なのである。だから安い。それだけのことだった。IBMなら国際保証も可能だし、少々高くても買ってみようと思えば、こちらは手に入れるのに1週間以上を要するのだ。国際保証のないDELLも同じだった。シッピング込みで1週間はかかるという。

 秋葉原で買って送ってもらうのはどうかと助言を受けた。しかし、平日に秋葉原に行く暇があり、PC に詳しく、20万円以上の借金をできる人というのは、そう簡単にはみつからない。日本のIBMをウェブで選び自分のカードで決済して郵送だけ任せるのも考えたのだが、日本国内で10日を要するというので挫折した。やはり店頭で直接買う以外にない。

 ワシントンの不便なのは、そうした直販店に行き着くのに車が必要なことだ。メトロを乗り継げるペンタゴンシティには品物がなく、タイソンズ・コーナーまであの手この手でたどり着き、「2時間前に売り切れです」といわれて疲れ果て、その近くに住む友人を呼び出してほかの店まで乗せてもらい、ようやく手に入れたときには1週間を経過していた。

早急にPCを買った理由はもうひとつあった。壊れたPCのデータを入れるのに、私の場合はICレコーダーで録音したものが多いため、ドライバーでは入りきらないといわれたからだ。

ようやく私の手元にPCがやってきて、日本語が書けるようになったのは、壊れてから9日が経ってからだ。思えば、B5のThink Padだけで1年を過ごそうとしたのにも無理がある。来て最初にデスクを1台買っておくべきだった。そして苦手なPCについて、人任せにしてきた怠慢のツケ。少しは自分でこなせるようにしようと深く反省した次第である。

というわけで、書き溜めた日記の更新もうまくできない上、過去のデータが消えて、しばしブランクがあきましたこと、お詫び申し上げます。そして、皆様もウィルスにはくれぐれもご用心くださいますように。ワシントンの知人の間でも同じ症状になった人が2人みつかっている。ウィルスソフトのアップデートは週に2日必要らしい。