大晦日には八坂神社で縄に朮火(をけらび)を頂き、一度帰宅して紅白を少し見て、六角堂で除夜の鐘をつき、そのまま徹夜で上賀茂神社の歳旦祭に臨みます。仮眠したら目覚めないので、徹夜はマスト。おかげで一年に一度、「朝まで生テレビ」を一部見ることになります。
歳旦祭では、薪火に先導されて参進。約1時間ほど本殿での神事を終えて、空が白白としていく中、境内の摂社末社をまわります。その幽玄の世界に身を置けるだけで感謝の気持でいっぱいになるのです。残念ながら、今年は大晦日の雪が残り、かつ雪が散らつくことから、橋殿からの遥拝にとどまりました。
毎年、上賀茂神社の神紋である二葉葵に敬意を表して、葵文の着物に帯を締めて臨むのですが、今年は源氏香文に若冲「猛虎図」の帯を締めて参列しました。
その後、直会(なおらい)をいただけるのも楽しみのひとつ。その後、本殿脇の臨時社務所にて「卯杖」(うづえ、1月14日に卯杖の記事があります)を求めて、お神酒をいただきます。最初は干支のマスと瓶のお神酒を家に持ち帰っていたのですが、最近は干支のマスに樽酒を入れて境内でいただきます。徹夜ゆえ、ヘロヘロになりながら、京都風に大福茶、お屠蘇、お雑煮を頂いてから仮眠いたします。それでは寝正月ではないか、と、もうひとりのワタシが囁きますが、しかし、神さまと一体となれた慶びを噛み締め、かつ、夜の「お節」に備えるためには、必要なプロセスなのです。
最後は伏見稲荷大社に参拝。フラウの「アキオとアキコの京都女磨き」連載の折、伏見稲荷大社のお火焚きについて書かせていただいたときからのご縁。朔日詣りは必須なのです。