節電

両親が名古屋人だったおかげで、子どものころから節約観念が身についている。部屋の電灯のつけっ放しも、歯磨きの間の放水も、母が許さなかった。おかげで、新婚家庭に招かれても、案内された部屋を去る際、つい癖で電灯をスイッチオフにしてしまい、呆れられたことがある。

 エアコンが苦手ということもあるが、夏は滅多に冷房はつけず、少し除湿をする程度。冬もエアコンには頼らず、部屋では厚着をしている。本当に寒ければ、ガスストーブ。電気のお世話にはならない。

 計画停電情報に振りまわれた人も多いだろうが、これを機に節電が身につけば、それも進化というものだ。何も「大臣」など立てなくても、日本国民は十分に賢い。

 コンビニのネオンが消えただけで、私たちがどれほど電力を過剰消費してきたか、気づいた人も多いはずだ。東南アジアの国々は首都でもあっても薄暗い。これからの日本は、明るすぎない都市空間に、徐々に慣れていくことになるだろう。